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ネットワークエンジニアの将来性は高い?今後、活躍し続けるために必要なものとは

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ネットワークエンジニアの将来性は高い?今後、活躍し続けるために必要なものとは

クラウドやIoTといったネットワーク技術が発展を続ける中で、ネットワークエンジニアの需要は変化しています。ITエンジニアとしてのキャリアパスを検討していて、ネットワークエンジニアの将来性が気になっている方もいるのではないでしょうか。 ネットワークエンジニアの仕事内容や今後求められるスキル、将来性、キャリアアップのコツを知ることで、キャリアパスを具体的に検討できます。 クラウド時代に必要な人材として、ネットワークエンジニアへの転職を検討しましょう。そこでこの記事では、ネットワークエンジニアの将来性やキャリアパス、今後重要性が増すスキルについてご紹介します。

 

 

クラウド時代の今!ネットワークエンジニアに将来性はある?

IT職の求人情報を検索すると、ネットワークエンジニアの求人件数が減っていると気付く方もいるのではないでしょうか。ネットワークエンジニアの需要が減少していると思うかもしれませんが、実際は、より専門性の高いネットワークエンジニアの需要が高まっている状況です。まずはネットワークエンジニアの需要の変化や将来性を解説します。

 

ネットワークエンジニアの需要

ネットワークエンジニアの隣接領域にセキュリティエンジニアやサーバーエンジニアがあり、企業によってはこれらを包括する職種としてネットワークエンジニアを募集しているケースも珍しくありません。ネットワークエンジニアという職種の求人件数は依然として多いものの、近年は減少傾向にあります。

 

しかし、企業がネットワークを利用する限り、ネットワークエンジニアの需要がなくなることはありません。現代はネットワーク時代で、IoT・5G・IPv6など技術革新が進む中、サイバー攻撃の懸念も高まっています。

 

ネットワークエンジニアに求められる知識・スキルは高度化・拡大しており、より専門性の高いネットワークエンジニアを目指すことが大切です。

 

クラウド普及の影響

ネットワークエンジニアの求人件数が減少している原因のひとつに、クラウドコンピューティングの普及が挙げられます。

 

オンプレミス環境からクラウド環境に移行する企業が増えており、クラウド技術に精通したエンジニアの需要が増している状況です。この状況下で「クラウドエンジニア」という職種が生まれており、クラウドに特化したネットワークエンジニアとしての求人件数が増加しています。

 

 

まずは基礎知識!ネットワークエンジニアってどんな仕事?

ネットワークエンジニアの需要は変化していますが、仕事内容は大きく変わりません。ネットワークシステムを設計・構築して運用・保守するというプロセスは、オンプレミス環境でもクラウド環境でも同様です。ネットワークエンジニアの基本的な仕事の流れを解説します。

 

1.設計

まずはクライアントの要求をヒアリング・分析して、ネットワークシステムの要件定義をします。ネットワーク構成や使用するネットワーク機器・通信回線といった条件を設定し、構築するネットワークシステムの基本設計・詳細設計をするフェーズです。

 

このフェーズでネットワークの維持コストや稼働までのスケジュールも割り出し、設計内容・設定方法はネットワーク設計書に落とし込みます。クライアントに対する提案書も含めて各種資料の作成が必要です。

 

2.構築

ネットワーク設計書や構築スケジュールに基づき、ルーター・ネットワークスイッチ・Wi-Fiアクセスポイントといったネットワーク機器の設置・配線・設定、ネットワーク管理ソフトウェアの導入・設定を実施します。

 

設計書通りに構築作業が完了したら、クライアントが求める機能・性能を実現できているかテストが必要です。ネットワーク構成によっては接続ネットワーク間のパフォーマンス調整、ネットワークを利用するアプリケーションの動作確認も要します。

 

3.運用

ネットワークシステムが稼働したら、安定稼働をサポートするのもネットワークエンジニアの役割です。ユーザーからの問い合わせに対応したり、トラフィックの監視やログの分析をしたりして、運用レポートを作成します。

 

必要に応じてアカウントの承認やWi-Fiアクセスポイントの増設といった、設定・構成の変更に対応することも業務範囲です。作業はマニュアル化されていることが多く、基本的には経験の浅いネットワークエンジニアが担当します。

 

4.保守

ネットワークシステムの運用中には、一時的にトラフィックが集中したりサーバー負荷が許容範囲を超えたりして、接続不良やシステムダウンが発生するケースもあります。運用中の保守対応、つまりソフトウェア・ハードウェアのトラブルシューティングもネットワークエンジニアの担当領域です。

 

トラブルの原因を分析・究明し、ネットワーク障害が起これば復旧作業をして、ネットワーク機器が故障したりサポート期間の終了が迫っていたりする場合は交換します。

 

 

知りたい!ネットワークエンジニアの平均年収は?

ネットワークエンジニアの平均年収は450万円程度とされています。サーバーエンジニアの平均年収は約450万円、社内SEの平均年収は約500万円と、他のITエンジニア職と比べて高い水準とはいえません。

 

ただし、ネットワークエンジニアは20代の平均年収が約350万円で、30代は約550万円と大幅に上昇する傾向があります。20代はマニュアル化された運用保守を担当するケースが多いので、スキル・キャリアによって高収入が期待できるでしょう。

ネットワークエンジニアのキャリアパス

ネットワークエンジニアのキャリアパスは、ジェネラリストとスペシャリストのどちらを目指すかで方向が変わります。

 

マネジメントや経営戦略に関する知識・スキルを習得すれば、プロジェクト全体を統括・管理するプロジェクトマネージャーや、IT戦略の策定や意思決定の支援を担うITコンサルタントを目指せるでしょう。

 

ITインフラだけでなくOS・ミドルウェア・アプリケーションやUI/UX設計の知識・スキルまで習得すれば、希少なスキルセットを持つフルスタックエンジニアとして活躍できます。

ネットワークエンジニアになるための方法

未経験からネットワークエンジニアに転職するなら、基本的にはネットワーク技術に関するスキルの証明を要します。早い段階で上流工程に携わりたい場合は、ネットワークに関する資格を取得しましょう。

 

また、企業によっては研修制度が充実しており、入社後にスキルアップも可能です。ネットワークエンジニアになる方法を2種類に分けて解説します。

 

スキルを証明するための資格取得

ネットワークエンジニアになるための必須資格はありませんが、キャリアアップを目指すなら資格取得は重要です。未経験でネットワークエンジニアにキャリアチェンジすると、基本的には運用・監視を担当します。

 

運用・監視はマニュアル化された業務なので、早い段階で上流工程に携わるなら資格取得によるスキルの証明は効果的でしょう。担当業務のレベルは給与にも大きく影響するため、資格取得でスタートラインを高めるのがおすすめです。

 

実務経験を積んで経験値を上げる

ネットワークエンジニアとしての知識・スキルを体系的かつ実践的に学ぶなら、専門のスクールに通う方法もあります。即戦力としての能力を重視する企業もあるので、時間をかけて卒業する選択肢もあるでしょう。

 

しかし、ネットワークエンジニアは常に需要があり、未経験可の求人も珍しくありません。研修制度が整った企業なら、入社後に最低限の知識・スキルを学び、実務経験を積む中でキャリアアップを目指せます。

 

 

ネットワークエンジニアにおすすめの資格5選

ネットワークエンジニアとしてのキャリアをスタートするなら、ネットワークに関するスキルを習得しておくと有利です。入社後にも取得できますが、面接時にスキルを証明すればキャリアアップを早められるでしょう。以下で、ネットワークエンジニアにおすすめの資格5選を紹介します。

 

ネットワークスペシャリスト試験

IPA(情報処理推進機構)が主催する「ネットワークスペシャリスト試験(NW)」は、大規模かつ堅牢なネットワークシステムの構築・運用ができることを証明する国家試験です。

 

ネットワークシステムの企画・要件定義・設計・構築・運用・保守を主導する立場として、下位者を指導できる知識・スキルを問います。ネットワークに関する難関試験で、合格率は10%台です。ハイレベルなネットワークエンジニアであることを証明するなら、ぜひ取得したい資格といえるでしょう。試験は4月の第3日曜日に実施されます。

 

ITパスポート試験

IPAが主催する「ITパスポート試験(IP)」は、情報システム全般に関する基礎知識や最低限のITスキルがあることを証明する国家試験です。

 

基礎的な内容ですが、情報セキュリティや関連法規、論理的な思考力、問題分析・解決の手法も問います。国家資格として評価する企業は多いので、まずは取得しておきたい資格といえるでしょう。IPAの試験としては最も低難度で、合格率は50%台です。試験はCBT方式で、随時実施されます。

 

基本情報技術者試験

IPAが主催する「基本情報技術者試験(FE)」は、ITエンジニアの登竜門として位置付けられている国家試験です。上位者の指導の下で業務を進めることを前提として、情報戦略に関する予想・分析・評価ができることや、システムの設計・開発・運用ができることを問います。

 

ITエンジニアとして基礎的な知識・スキルがあることを証明できるので、上流工程を目指すなら取得したい資格といえるでしょう。ITパスポート試験より高難度で、合格率は20%台です。試験はCBT方式で、上期・下期の年2回実施されます。

 

シスコ技術者認定

ネットワーク機器開発の世界最大手企業シスコシステムズが主催する「シスコ技術者認定」は、世界的に評価の高いネットワーク関連のトレーニング・認定プログラムです。合格するとシスコシステムズ製品を適切に扱えることや、ネットワーク技術に高い専門性があることを証明できます。

 

試験区分はエントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・アーキテクトの5段階で、日本ではアソシエイトレベルの「CCNA」やプロフェッショナルレベルの「CCNP」が有名です。試験は事前予約後、ピアソンVUEの試験会場またはオンラインで随時実施されます。

 

LPIC(エルピック)

NPO法人「The Linux Professional Institute」が主催するLPIC「Linux技術者認定試験」は、Linuxに関する世界共通のスキル判断基準となる検定試験です。LinuxとはOS(オープンソースのオペレーティングシステム)のことで、この資格を取得することでLinuxの技術者という証明ができます。

 

 

将来性を高める!これからのネットワークエンジニアに求められる4つのスキル

ネットワークエンジニアの需要はネットワーク技術の進展に大きな影響を受けます。昨今はクラウドコンピューティングやIoTが普及し、サイバー攻撃の対象が増加している状況です。そのため、クラウドやIoT向けの無線通信技術、セキュリティに関するスキルの需要が高まっています。

 

プロジェクトマネージャーへのキャリアアップを目指すなら、マネジメントスキルも重視しましょう。これからのネットワークエンジニアに求められるスキルを4種類に分けて解説します。

 

クラウド系スキル

ネットワークシステムを自社構築すると多大なコストを要しますが、大手クラウドサービスを利用すれば低コストで高度なクラウド環境が手に入ります。代表的なクラウドサービスは、アマゾン・ドット・コム社のAWSやグーグル社のGCP、マイクロソフト社のMicrosoft Azureです。

 

パブリッククラウドを利用する企業は増加中ですが、企業によっては自社構築のプライベートクラウドを利用するケースもあります。従来のネットワーク技術では対応できない環境が増えており、クラウドサービスを適切に利用するスキルや、クラウド環境を構築できるスキルは必須です。

 

セキュリティ系スキル

クラウドやIoTといったネットワーク関連の技術的発展に伴い、サイバー攻撃の手法は多様化・複雑化しています。新しいネットワーク構成を導入するなら、従来のセキュリティ技術では不十分です。

 

ネットワーク構成が複雑化するほどセキュリティホールは増え、ランサムウェアやマルウェアの感染、DoS攻撃といったサイバー攻撃の対策を要します。セキュリティ対策は重要度を増しているので、セキュリティ関連の知識・スキルは必要です。

 

通信系スキル

IoTの需要拡大に伴い、ネットワークシステムを構成する機器の数や種類は増え続けています。IoTを実現するには低消費電力かつ広域的な無線通信技術を要するため、IoT向きの無線通信技術が続々と登場している状況です。

 

ネットワークエンジニアはBluetoothの拡張仕様であるBLE (Bluetooth Low Energy)をはじめ、ZigBeeやWi-Fi HaLow、Wi-SUNといった無線通信技術に対応する知識・スキルを要します。

 

マネジメント系スキル

ネットワークエンジニアは要求分析・要件定義といった工程にも関わりますが、上流工程を担当するにはマネジメントスキルやコミュニケーションスキルが必須です。クライアントと折衝してチームメンバーに構築・設定内容を指示する他、タイムマネジメントも担当します。

 

マネジメントスキルやコミュニケーションスキルを伸ばせば、システム開発全体の責任者であるプロジェクトマネージャーへのキャリアアップも目指せるでしょう。

 

 

中でも磨きたいスキルはクラウド系スキル

ネットワークエンジニアが今後最も必要とするのは、クラウドコンピューティングに関する知識・スキルです。パブリッククラウドは仮想化環境で運用されており、クラウドに対応するなら仮想化のスキルを要します。特にネットワーク仮想化は必須スキルと考えましょう。

 

【クラウド系スキル1】ネットワーク仮想化の知識

クラウド環境ではネットワーク・サーバー・アプリケーションといった物理的なコンピューター資源を、論理的に分割したり統合したりする「仮想化技術」を活用します。ネットワークエンジニアにとって重要なのは「ネットワーク仮想化」の知識・スキルです。

 

ネットワーク仮想化を実現する技術は、仮想専用ネットワークを構築する「VPN」や仮想LAN環境を構築する「VLAN」、ソフトウェア上から論理的なネットワークを制御する「SDN」が挙げられます。

 

【クラウド系スキル2】ネットワーク仮想化に対応するプログラミングスキル

SDNによるネットワーク仮想化を実現するには、Ruby・Java・Pythonといったプログラミング言語を使用します。SDNは「OpenFlow」という制御システム・プロトコルで実装することが多く、Rubyのフレームワーク「Trema」でOpenFlowスイッチ・OpenFlowコントローラの実装が可能です。

 

JavaやPythonは汎用性の高いプログラミング言語ですが、それぞれにSDN向きのフレームワークが開発されています。これらのプログラミング言語・フレームワークに関する知識・スキルも重要です。

 

【クラウド系スキル3】仮想化技術に適したネットワーク設計スキル

仮想化は物理的なコンピューター資源を有効活用するための技術です。物理的な資源を分割したり統合したりしたい場合、物理的な構成はそのままで論理的に構成を変更できます。

 

例えば、SDNはソフトウェア制御によって論理的にネットワーク構成を変更するので、物理的なネットワーク設計とは異なる知識・スキルが必要です。ネットワークを仮想化しても物理的なネットワークは変わらず存在し、物理的なネットワークと仮想的なネットワークを区別して設計・構築・運用できるスキルを要します。

 

 

将来性を高めるためにはスキルアップ・キャリアアップが必要

従来のネットワークシステムは自社構築が基本でしたが、現在はAWSやGCPといった大手クラウドサービスの台頭により、オンプレミス環境の物理的なネットワークシステムに頼らない企業が増えています。自社に合ったクラウド環境へ移行する企業の増加により、ネットワークシステムの案件はクラウド関係のものが増えている状況です。

 

自社システムに応用できる仮想化技術も発達しているので、クラウドコンピューティングやネットワーク仮想化についてのスキルは重要度を増していくでしょう。そのため、ネットワークエンジニアに求められる知識・スキルは高度化・複雑化しており、時代に合ったスキルを習得できるかどうかがキャリアパスに大きく影響します。

 

クラウドに関するスキルは、あらゆるITエンジニアにとって基礎とも言える状況です。現在所属している企業でクラウド技術に触れられないなら、将来的なキャリアパスを具体的に検討し、転職を選択肢に入れることをおすすめします。

まとめ

ネットワークエンジニアの求人件数は減少傾向にありますが、クラウドエンジニアの求人件数は伸びています。ネットワークエンジニア自体の需要が減少したわけではなく、クラウド時代に対応できるネットワークエンジニアが求められている状況です。

 

クラウドや仮想化に関する知識・スキルの重要性が高まっているため、資格取得や実務の中でスキルアップすることを検討しましょう。ジャパニアスはクラウド時代に対応できるネットワークエンジニアを募集しています。ネットワークエンジニアへの転職をお考えなら、ジャパニアスの中途採用へ応募をご検討ください。

 

 

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