ITエンジニアの需要拡大中!職種別の仕事内容・年収や必要なスキルを徹底解説
ITエンジニアの需要は拡大傾向にあり、未経験からキャリアチェンジを狙う方も増えています。ITエンジニアへの転職を検討しており、業務内容や必要なスキルを把握したい方もいるのではないでしょうか。 ITエンジニアの業務内容や必要なスキル、資格、学び方、将来性を把握することで、転職のプランを具体的に検討できます。 そして、キャリアパスを具体的にイメージしITエンジニアへの転職を成功させましょう。 そこでこの記事では、ITエンジニアの業務内容や必要なスキル、プログラミング言語の学び方について紹介します。
この記事の目次
現代社会に必要不可欠!「ITエンジニア」とは?
「エンジニア」とは、ハードウェア・ソフトウェア・インフラの設計・開発・運用・保守に関わる職種の総称です。技術者や技師とも呼ばれ、エンジニアという言葉が指す職種は多岐にわたります。
電気・土木・建築といった非IT系のエンジニアも多いため、情報技術・情報工学に関するエンジニアを「ITエンジニア」や「IT系エンジニア」と呼び分けるのが一般的です。ITエンジニアの中でも、担当する業務や専門領域によって職種は細分化されます。
【職種別】ITエンジニアの仕事内容
ITエンジニアはIT系のエンジニア全般を指す言葉で、ソフトウェア・ハードウェア・インフラに関するさまざまな職種を含みます。システムエンジニアやプログラマー、サーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなど、主な7つのITエンジニアについて、それぞれの業務内容を紹介します。
システムエンジニア
「システムエンジニア(SE)」は、主に要求分析・要件定義・設計といった上流工程を担当するITエンジニアです。プロジェクトによっては、開発・テストも含めた一連のプロセスを担当するケースもあります。
クライアントから要求をヒアリングし、開発チームに設計・仕様を説明するため、コミュニケーション能力やシステム全体の幅広い理解が不可欠です。設計書・仕様書といった書類作成もするため、ドキュメント作成能力も要します。
プログラマー
「プログラマー」は、システムエンジニアが作成した設計書・仕様書に従って、プログラミング言語を用いて機能を実装(コーディング)するITエンジニアです。使用するプログラミング言語の文法理解をはじめ、フレームワークやデータベースの知識も必要です。
既存システムに機能を追加したり、複数メンバーで機能を分担したりする案件も多いため、他のプログラマーが書いたコードを理解し整合性を保つことも大切です。担当するプログラムが完成するまで、デバッグ・修正を実施するケースもあります。
サーバーエンジニア
「サーバーエンジニア」は、サーバーの構築・運用・保守を担当するITエンジニアです。運用するサーバーの台数やスペックを決め、OSやサーバーアプリケーションの選定・インストール・設定を実施します。
サーバーをサーバーラックに設置・増設したり、ネットワークケーブルの配線作業をしたりするのも業務の一環です。サーバーの負荷分散によってシステムダウンを防ぐことや、サーバー障害が起きてもサービスを提供し続けられる「冗長化」も実施します。サーバーの監視や保守対応、運用マニュアルの作成なども業務範囲です。
ネットワークエンジニア
「ネットワークエンジニア」は、ネットワークシステムの設計・構築・開発を担当するITエンジニアです。ルーターやWi-Fiアクセスポイントの設置・設定や、LANの構築・運用保守を担います。
IPアドレス・DNSといったネットワーク関連の基礎知識や、ファイアウォール・ウイルス対策などのセキュリティ関連の知識・スキルも必須です。クラウドサーバーの利用も一般化しているため、クラウドエンジニアリングの知識も必要性が高まっています。
データベースエンジニア
「データベースエンジニア」は、データベースの設計・開発・構築・運用を担当するITエンジニアです。企業が保存するデータは多岐にわたり、一定のルールでデータを分類・整理・統合して検索しやすいように整えます。
多くの企業がデータベースを運用していますが、ビッグデータの活用にはデータベース技術が不可欠です。データベース管理システム(DBMS)についての知識・スキルは必須といえるでしょう。よく利用されるDBMSは、「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」「MySQL」などです。
Webエンジニア
「Webエンジニア」は、WebサイトやWebサービスの設計・開発・運用・保守を担当するITエンジニアです。例えば、ECサイトのシステムを設計・開発し、商品の閲覧履歴やおすすめ商品のリストアップといった機能を実装します。
Webエンジニアは大別すると、フロントサイドエンジニアとバックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)の2種類です。前者はHTMLやCSSを用いて表示部分を開発し、後者は処理システムの開発や運用・保守を担当します。
セキュリティエンジニア
「セキュリティエンジニア」は、セキュリティに関するシステムを設計・開発・運用・保守するITエンジニアです。ハッキングやクラッキングといったサイバー攻撃に対するセキュリティ対策や、情報漏えいを防ぐための保守管理を担当します。
セキュリティに関する知識だけでなく、ネットワークやアプリケーションに関する広範な知識が求められる職種です。企業のセキュリティポリシーを理解し、クライアントに適切なシステムを提案することも求められます。
気になるITエンジニアの平均年収って?
厚生労働省が実施した「賃金構造基本統計調査(2019年度)」によると、システムエンジニアの年収の全体平均は、約568万9,000円でした。年齢別に見ると、20代で360万円~500万円、30代で550万円~700万円程度となっています。
プログラマーの年収の全体平均は約425万8,000円で、20代だと330万円~450万円、30代で490万円~630万円程度です。
プログラマーの労働者数は20代が最も多く、30代から減少していきます。システムエンジニアは20代前半が少なく、プログラマーより年齢層は高めです。
他の職種も含めた年収の全国平均は約500万円なので、ITエンジニアの年収は比較的高いといえるでしょう。なお、ITエンジニアの年収は能力によって大幅に変化し、年収1,000万円以上の方も珍しくありません。
ITエンジニアのやりがいや楽しさは?
クライアントが求めるシステムを完成させた結果、ポジティブなフィードバックが得られた際はやりがいを感じられるでしょう。
開発の現場では専門性の異なるITエンジニアがチームを形成し、ひとつの目標に向けて協力します。そのため、チームワークによる達成感が得られる点も楽しさのひとつです。ITエンジニアはスキルを高めれば年収アップを期待できるため、努力が結果につながりやすい点もメリットといえます。
こんな人がITエンジニアに向いている!求められる人物像とは?
ITエンジニアはさまざまな業界で需要が高く、未経験でも入社のチャンスはあります。ただし、選考前に必要なスキルを伸ばすことや、自身に適性があるかどうかを判断することは大切です。ITエンジニアに必要なスキルや、ITエンジニア向きの特性を解説します。
ITエンジニアに必要なスキル
ITエンジニアになるには、システムの理解やプログラミングスキルは必須です。ただし、必要なのはコーディングに関するスキルだけではありません。
ITエンジニアの実務にはクライアントやチームメンバーとのコミュニケーションが不可欠なため、コミュニケーション能力も必要不可欠です。
プログラマーによって担当する機能は異なり、プロジェクトを円滑に進めるにはスケジュール管理・バージョン管理やこまめな情報共有も求められます。よって、マネジメントスキルも必須と考えましょう。ポジションによってはドキュメント作成能力も要します。
ITエンジニアに向いている人
ITの分野は進歩が早く、新しい技術が続々と生まれます。技術のトレンドは移り変わりやすく、従来の技術が陳腐化して通用しなくなるケースも珍しくありません。ITに関する興味関心や情報リテラシー、新しい技術に対応できる柔軟性・向上心や学習能力の高さは重要な資質です。
また、開発の現場ではバグの修正に追われることも多く、クライアントから急な変更要求が入ることも珍しくありません。忍耐力があり、トラブルがあってもシステム完成に向かい続けられる方がITエンジニアにふさわしい人材といえるでしょう。
ITエンジニアになるためのおすすめの資格
ITエンジニアになるための必須資格はありませんが、採用担当者に対して知識・スキルをアピールするには資格取得が有効です。特にITエンジニア未経験なら、実務に対応できるかどうかは保有資格で判断される部分も大きでしょう。資格保有による給与上昇の制度がある企業も多いため、認知度・信頼性の高い資格の取得がおすすめです。
おすすめの国家資格
ITエンジニアとしての知識・スキルを証明するなら、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の受験をおすすめします。情報処理推進機構は経済産業省が管轄する独立行政法人です。実施する国家試験は総じてレベル・認知度が高く、合格者は採用担当者から一定の信用を得られるでしょう。
「基本情報技術者試験(FE)」は、ITエンジニアの登竜門として位置付けられている国家試験です。高度IT人材になれる基本的知識・スキルがあることを、国の基準で審査します。まずは基本情報技術者試験の合格を目指すとよいでしょう。
「応用情報技術者試験(AP)」は、ワンランク上のITエンジニアであることを認定する国家試験です。高度IT人材としての方向性が確立したことを示します。
「情報セキュリティマネジメント試験(SG)」は、機密情報を守る情報管理者であることを証明する国家試験です。一定以上の水準で情報資産のセキュリティを維持・管理できることを認定します。
おすすめの民間資格
情報処理推進機構が実施する国家試験は、使用するツールを限定せず、高度IT人材としての総合的な知識・スキルを審査するものです。これに対して、民間資格の主催者・認定団体はソフトウェアやサービスのベンダーであることが多く、特定のツールが適切に扱えることを証明します。
日本Oracle社が主催する「Oracle認定Javaプログラマ」は、Javaに関する知識・スキルを認定する民間資格です。資格区分はBronze・Silver・Goldの3段階に分かれており、Javaプログラマーとしてのレベルを証明します。Javaは一般的なプログラミング言語のため、まずはBronzeから取得を目指すのもよいでしょう。
ピアソンVUEが実施する「シスコ技術者認定」は、シスコシステムズ製品に関する知識・スキルを認定する民間資格です。ネットワークの設計・導入・運用・サポートに関する能力を証明します。
資格区分はエントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・アーキテクトの5段階です。ネットワークエンジニアになるなら、まずはエントリーの取得を目指すとよいでしょう。
ITエンジニアとして働くためには?働き方や就職先、キャリアパスを紹介
ITエンジニアは理系出身者が多いイメージかもしれませんが、実際には文系出身者も活躍しています。必要な知識・スキルさえ学べば、他の職種からキャリアチェンジも可能です。学ぶプログラミング言語の選び方やキャリアパス、雇用形態や就職先の決め方を解説します。
ITエンジニアになるには?
ITエンジニアの専門領域はさまざまですが、何を目指すとしてもプログラミング言語の習得は必須です。プログラミング言語によって専門領域の向き・不向きがあるので、目指すITエンジニア像に合うプログラミング言語を選びましょう。
例えば、WebエンジニアならHTMLやCSS、JavaScriptの習得は必須です。Javaはネットワークとの相性が良く、デバイスの機種やOSに依存しません。スマホアプリの開発に多用する他、IoTへの対応にも活用します。
ITエンジニアの幅広い雇用形態
ITエンジニアの雇用形態はさまざまですが、基本的には正社員・契約社員・フリーランスの3種類に分類できます。
正社員や契約社員のメリットは給与収入が安定することや、充実した福利厚生が受けられる点です。また、正社員の場合は実践力を身につけるための社外研修やOJTなどを行ってくれる企業も多くあります。
ただし、転職せず1社の中でキャリアアップを狙う場合は、キャリアパスが限定的になることがネックといえるでしょう。プロジェクトに対する責任も大きいので、やりがいはある反面、拘束時間は長くなる傾向があります。
契約社員のメリットとして、ライフスタイルに合わせた勤務時間や勤務地を選択することが可能という点が一般的に挙げられますが、ITエンジニアの分野では、実際には正社員と契約社員の差は比較的小さい傾向にあります。
フリーランスは個人事業主として企業と契約するため、自由な働き方ができる点がメリットです。培ったスキルや人脈を生かして高収入を期待できますが、企業においては他の部署が担ってくれることも多い事務作業や営業活動も自分でやる必要があるなど、初心者向きではありません。
ITエンジニアの就職先を決めるポイント
ITエンジニアは専門領域によって職種が細かく分かれています。最初にどの職種を選ぶかによって、将来的なキャリアアップに大きく影響するでしょう。
就職先を選ぶ際は、自身のキャリアプランと業務内容が一致しているかの精査を要します。就職先で生かしたり学べたりするスキルを把握し、5年や10年といったスパンでキャリアアップを目指しましょう。
また、ITエンジニアは自発的に技術のトレンドを把握し、ニーズの高いスキルを学んでいくことも大切です。技術はトレンドの移り変わりで陳腐化するものも多いため、就職先に教育制度が充実しているかのチェックも大切です。
ITエンジニアのキャリアパス
ITエンジニアは開発者としてキャリアをスタートし、上流工程の担当者にキャリアアップするのが通常です。例えば、プログラマーからシステムエンジニアや現場のリードエンジニアになるキャリアパスです。
システムエンジニアからさらにキャリアアップを目指すなら、プロジェクトの管理者であるプロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)といったキャリアパスが考えられます。
さらに高度なポジションや高収入を目標とするなら、ビジネス戦略に携わるITコンサルタントやITアーキテクトへのキャリアアップも可能です。
システムエンジニアからのキャリアパスは多彩なため、まずはプログラマーやシステムエンジニアとしてキャリアをスタートし、システムエンジニアから上位職にステップアップするキャリアパスを想定するのもよいでしょう。
ITエンジニアを目指す!プログラミング言語の学び方
ITエンジニアになるには、職種に合ったプログラミング言語を習得することが必須です。大学や専門学校に通う方法もありますが、既卒なら他の方法を検討しましょう。オンライン学習や独学の他、企業の研修プログラムでも習得が可能です。以下で、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
大学や専門学校に通う
ITエンジニアになる基本的なルートは、情報系の大学や専門学校でプログラミングやネットワークについて幅広く学ぶことです。既卒であれば、IT系の専門スクールに通うことで知識・スキルを吸収できます。
スクールの利点は、情報科学系の研究者やプロのインストラクターから直接アドバイスやレクチャーを受けられることです。同じ立場の生徒と切磋琢磨でき、モチベーションも維持しやすいでしょう。ただし、まとまった資金や時間が必要な点はデメリットといえます。
オンライン学習を利用する
オンライン型のプログラミングスクールや学習サイトで学ぶ方法もあります。大きな利点は学ぶ時間を自由に選べることです。さらに、通学にかかる時間や費用も必要ありません。
通学型は仕事との両立は困難ですが、オンライン型の学習方法なら就業後や休日に学習を続けられます。学習サイトによっては無料のものもあり、基礎的な知識・スキルを学ぶには最適です。ただし、メンターや学友がいない環境のため、質問はしにくく、モチベーションの維持は難しいかもしれません。
独学で学ぶ
インターネットにはプログラミング言語やネットワークに関する情報があふれており、いつでも無料でアクセスできます。体系的に学ぶなら、書籍を購入すれば独学も可能です。費用を抑えて好きな時間に学習できるのはメリットでしょう。
ただし、学習計画の立案やスケジュール管理が必要です。メンターが近くにいないため、コーディングの練習で問題が発生した場合、問題解決できずに挫折する恐れもあります。
会社の研修プログラムを利用する
「プログラミング言語は入社してから学ぶ」という方法もあります。中途採用の求人情報を調べてみると、未経験歓迎の求人も多いことに気付けるでしょう。
研修制度が整っている企業なら、入社後にプログラミングの知識・スキルを学び、そのままITエンジニアとしてキャリアをスタートできます。ただし、未経験歓迎でも基礎知識程度は必須とされるケースが多いので、事前に書籍や学習サイトから基礎知識を学習しましょう。
ITエンジニアの将来性
ITの活用は社会に浸透しており、IT業界以外の多くの業界でもITエンジニアは求められています。近年はさまざまな業界でAIやビッグデータの活用が進み、IoTの注目度も高まっています。
ITの進歩は日々進んでおり、今後も社会に大きなインパクトを与える技術は続々と登場するでしょう。新しい技術が台頭すると古い技術は陳腐化する傾向もあるので、時代に合ったスキルを磨き続ける限り、ITエンジニアとして需要ある人材として求められるため、将来性の高い職業といえるでしょう。
まとめ
ITエンジニアは専門領域によって職種や業務内容が細分化されているので、自身でキャリアプランを設定し、目的に合う就職先を探すことが大切です。基本的にプログラミング言語のスキル習得は必須ですが、未経験歓迎の求人なら就職後に研修で学ぶことが可能です。
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