フロントエンドエンジニアを目指すなら必読!仕事内容や必要なスキル、キャリアパスを解説
Web製作に携わるなら、豊富なスキルをキャリアアップにつなげられるフロントエンドエンジニアがおすすめです。ITエンジニアへの転職を検討していて、フロントエンドエンジニアの仕事内容や将来性が気になっている方もいるのではないでしょうか。 フロントエンドエンジニアの仕事内容や求められるスキル・資格、キャリアアップのポイントやキャリアパスを知ることで、転職を具体的に検討できます。 フロントエンドエンジニアとしてスキルを磨き、キャリアップを目指しましょう。そこでこの記事では、フロントエンドエンジニアの仕事内容や将来性、求められるスキルについて紹介します。
この記事の目次
フロントエンドエンジニアの仕事の特徴とは?
「Web系のエンジニア職」としてイメージするのは、WebデザインやHTMLのコーディングを担当する職種ではないでしょうか。フロントエンドエンジニアは後者寄りの仕事を担当しますが、担当領域はコーディングだけではありません。まずはフロントエンドエンジニアの主な仕事内容や平均年収、やりがいや将来性を解説します。
フロントエンドエンジニアの仕事内容はフロントエンドの設計や構築
フロントエンドエンジニアは、WebサイトやWebサービスの「フロントエンド」を設計・構築するエンジニアを指します。フロントエンドはユーザーへの表示や操作の受け付けなど、ブラウザ側で機能する要素のことです。フロントエンドに対し、ユーザーからは見えないところで内部処理を行うWebサーバー側の要素を「バックエンド」と呼びます。
Webサイト・WebサービスのデザインはWebデザイナーが担当し、フロントエンドエンジニアはHTML・CSS・JavaScriptといった言語による実装を担当するのが基本です。ただし、プロジェクトやチームによって役割分担は異なるので、フロントエンドエンジニアが企画やデザインに関わるケースもあります。
フロントエンドエンジニアの平均年収は高め
転職情報サイト「求人ボックス」の公開情報(2021年1月6日時点)によると、フロントエンドエンジニアの平均年収は556万円です。これは、日本人の平均年収(440万円前後)に比べ高水準だと言えます。
また、全体の給与幅は379万円~974万円と広く、年代・経験や求められるスキルによって大きな差が生じます。経験を積んでスキルを磨くことで高収入が期待できるでしょう。
最新の技術に触れられるやりがい
フロントエンド開発で使用されるJavaScript のフレームワークは、Facebook社が開発した「React」やGoogle社による「Angular」をはじめ、最新技術が続々と登場しています。
効率的な開発環境だけでなく、機能拡張の手段も増えており、JavaScriptの活用範囲は広がり続けている状況です。フロントエンドエンジニアはJavaScriptの使用頻度が高く、最新の技術に常に触れられる点は魅力のひとつでしょう。
需要が高まり続けているため将来性への期待大
Webサイトにアクセスするデバイスは多様化しており、単一のファイルでマルチデバイスに対応できる「レスポンシブWebデザイン」の重要性が増しています。
Webサイトの活用方法が広がり、新しいWebサービスも登場し続ける中で、フロントエンドエンジニアの需要は高まっている状況です。
さらに、デバイスの高度化やネットワーク技術の発展に伴い、よりリッチなコンテンツが求められるでしょう。企業だけでなく個人が独自コンテンツを持つケースも増えており、フロントエンドエンジニアが活躍する場は今後広がる傾向にあります。
フロントエンドエンジニアと類似した職種との違いと関連性は?
フロントエンドエンジニアと類似した職種はいくつかあり、違いが分からない方もいるでしょう。
フロントエンドエンジニアは比較的新しい職種で、以前はコーダーやマークアップエンジニアが同じ職域を担当していました。また、ユーザーからは見えないサーバーサイド(バックエンド)の開発を担う役割がサーバーサイドエンジニアです。ここでは、類似職との違いや関連性を解説します。
コーダーとの違いと関わり
コーダーは仕様書やデザイン案をもとにコーディング作業をする職種です。Web製作の現場では「HTMLコーダー」とも呼び、主にHTMLやCSSを用いてコーディングします。コーディングを専門とするので、設計やデザインには関わりません。
フロントエンドエンジニアはJavaScriptによるコーディングをはじめ、フロントエンドに関するより広範囲の実務を担当する職種です。コーダーによる実装をベースに、APIの実装やSEO対策も担当します。また、クライアントの要求をコーダーに伝え、実装のアドバイスをすることも珍しくありません。
サーバーサイドエンジニアとの違いと関わり
ユーザーとのやり取りを行うフロントエンドの開発を担当するフロントエンドエンジニアに対し、サーバーサイド(バックエンド)の開発を担当するのがサーバーサイドエンジニア(バックエンドエンジニア)です。サーバーサイドエンジニアは、主にPHP・Ruby・Javaといった言語を用いてWebサーバーやデータベースに関する実装を担当します。
なお、ユーザーの目に触れるWebサイト・Webサービスのデザインを担当するのはWebデザイナーです。フロントエンドエンジニアはWebデザイナーの作成したロゴや背景を用いて、ユーザーとの接点に当たる部分を開発します。
マークアップエンジニアとの違いと関わり
マークアップエンジニアは、HTML・CSS・JavaScriptを用いてWebサイト・WebサービスのUI(ユーザーインターフェース)を構築する職種です。UI構築に加えてSEO対策に長けているケースも多く、基本的な担当領域はフロントエンドエンジニアと似ているため、企業によっては両職種の区別がありません。
マークアップエンジニアは主にHTMLを使用し、JavaScriptのスキルは基本レベルの方が多い傾向にあります。フロントエンドエンジニアはJavaScriptのフレームワークを活用し、ルーティングやユーザー認証といった処理も担当するのが大きな違いです。
なお、Web製作の総指揮はWebディレクターが担当します。Webディレクターは技術面の専門家ではないため、フロントエンドエンジニアが技術的なアドバイスをするケースも珍しくありません。
フロントエンドエンジニアの求人に記載される必要なスキルとは?
フロントエンドエンジニアはHTML・CSS・JavaScriptによるコーディングをはじめ、フロントエンドに関するさまざまな業務を担当します。例えば、CMSの構築やバックエンドとの連携、UIやUX(ユーザーエクスペリエンス)の構築です。以下ではフロントエンドエンジニアに求められるスキルについて解説します。
HTMLやCSSのスキル
HTMLはマークアップ言語の一種で、「タグ」と呼ばれる文字列で文章に見出し・改行・段落といった構造情報を与えます。CSSはタグ要素のサイズや余白、フォントや背景などの装飾情報を定義する言語です。
マークアップはHTML、スタイルはCSSと区別してコーディングすることで、複数HTMLファイルのスタイルを簡単に統一できます。Webデザイナーが作成したデザインを再現する言語のため、HTMLとCSSのスキルは必須です。
JavaScriptのスキル
JavaScriptはWebページ向きのスクリプト言語で、多くのWebブラウザに実行環境が組み込まれています。Webページを読み込むと、部分的なリロードやテキストカーソルの自動表示といった処理をサーバーを経由することなく実行可能です。
JavaScriptを使いこなすには、DOMと呼ばれるAPIやフレームワークの知識も要します。JavaScriptのスキルはリッチなコンテンツの製作に必須なため、基礎的な構文から応用方法まで学ぶことが必要です。
CMS構築のスキル
CMS(コンテンツ管理システム)は、HTMLやCSSであらかじめスタイルを定義しておくことで、Webページの作成・編集作業を容易にするシステムの総称です。フロントエンドエンジニアがCMSを構築することで、コンテンツの管理者以外でも、HTMLやCSSを意識することなくWebページの作成・編集ができます。
有名なCMSはWordPressやMovable Typeです。CMSを導入している企業は多く、フロントエンドエンジニアが構築・管理を担当するケースが増えています。
バックエンド言語のスキル
バックエンドエンジニアにとってRubyやPHPは必須の言語です。RubyはWebサーバー上で動作するWebアプリケーションの作成に向いており、PHPはデータベース管理システム(DBMS)と連携したWebアプリケーションの作成に向いています。
RubyやPHPはCMSの開発言語としても利用されており、フロントエンドエンジニアにとっても習得すべき言語と言えるでしょう。
UI/UX設計のスキル
UIはユーザーと製品・サービスとのインターフェース(接点)という意味であり、Webサイト・Webサービスの外観や操作方法などを指します。UIの設計・構築が不適切であれば、ユーザーはストレスを感じやすく、Webサイト・Webサービスから離脱する原因となります。
UXは外観・操作方法やユーザビリティ(使いやすさ)に加え、サービスの使用開始から終了までの体験・感じ方にフォーカスします。UIやUXを適切に設計することは、Webサイト・Webサービスの成果に大きく影響するので、フロントエンドエンジニアにとって必須のスキルです。
プロジェクトを円滑に遂行させるスキル
フロントエンドエンジニアは、開発の現場でWebディレクターやWebデザイナーと開発内容について話し合います。コーダーやマークアップエンジニアと役割分担があるプロジェクトなら、それぞれがコーディングする機能の調整も必要でしょう。また、サーバーサイドエンジニアとの連携も重要です。
さまざまな職種のメンバーとコミュニケーションを図り、ときにはアドバイスをして、プロジェクトを円滑に遂行させるスキルを要します。
スキルを証明するために!フロントエンドエンジニアが取得すべき資格5選
Web開発の実務経験が浅い場合でも、HTML・CSS・JavaScriptに関する資格の取得により最低限のスキルを証明できます。さらに、Rubyやプロジェクトマネジメントに関する資格も取得すれば、転職活動を有利に進められるでしょう。
HTML5プロフェッショナル認定試験
特定非営利活動法人エルピーアイジャパンが主催する「HTML5プロフェッショナル認定試験」は、HTML5・CSS3・JavaScriptといったマークアップに関する知識・スキルを認定する試験です。試験区分はLevel.1・Level.2の2段階に分かれています。
・Level.1:マルチデバイスに対応したWebコンテンツ製作の基礎能力が証明できる
・Level.2:システム間連携・マルチメディア技術に対応するWebアプリケーションや、動的コンテンツの開発・設計能力が証明できる
CIW JavaScript Specialist
Certification Partner社が主催する「CIW(Certified Internet Web Professional)」は、インターネットやWebに関するスキルを、職種ごとの区分で認定する国際資格です。
「CIW JavaScript Specialist」はJavaScript開発者向けの資格で、プログラム制御・フォーム認証・DOM操作やインタラクティブWebアプリケーションといった、JavaScriptに関する幅広いスキルを証明でき、試験は英語のみです。
Webクリエイター能力認定試験
サーティファイ社による「Webクリエイター能力認定試験」は、世界的なWeb標準に完全準拠したマークアップスキルを認定する試験です。HTML5・CSSと主要なWebブラウザ・OSに対応したWebサイトの制作能力を証明できます。
試験は実際の開発現場のワークフローに基づいて進行するため、実践的なスキルを証明できるのも利点です。試験区分はスタンダードとエキスパートの2段階に分かれています。
Ruby技術者認定試験
Rubyアソシエーションが主催する「Ruby技術者認定試験」は、Rubyによる高水準の開発能力があることを認定する試験です。サーバーサイドの開発やCMSの構築に応用できるため、仕事の幅が広がるでしょう。試験区分はSilverとGoldの2段階です。
・Silver:Rubyの文法・クラス・オブジェクトや組み込みライブラリについての基礎的な知識・スキルを証明できる
・Gold:実行環境や標準添付ライブラリといった知識・スキルも習得し、Rubyによるプログラム設計技術があることを証明できる
PMP
PMI(プロジェクトマネジメント協会)が主催する「PMP」は、プロジェクトマネジメントのプロフェッショナルであることを証明する国際資格です。試験はPMIが策定したプロジェクトマネジメントの方法論「PMBOK (Project Management Body of Knowledge) ガイド」に基づいて実施され、合格することでさまざまな国・業界で高い評価と信用が得られます。
資格取得後はCCR (Continuing Certification Requirements Program)と呼ばれるプログラムに従事し、3年ごとに更新手続きが必要です。取得・維持の難度は高い資格ですが、保持することでキャリアアップや人脈拡大につながります。
より求められる人材になる!フロントエンドエンジニアのキャリアアップのポイント
フロントエンドエンジニアがキャリアアップするために意識すべきことは、専門領域を深化、または拡大することです。プログラミングを突き詰める以外に、関連職種の職域をカバーする点も重要です。さらに、Web業界の変化に対応し続けていく姿勢も大切です。
エンジニア以外の付加価値
フロントエンドエンジニアはコーダーやマークアップエンジニアといった職種を包括するため、フロントエンドの上位職に当たります。IllustratorやPhotoshopといったデザインツールのスキルを習得すれば、Webデザインにも担当領域が広がるでしょう。
さらに、PHPやRubyを習得し、Webサーバーやデータベース管理システムの構築・管理もできるようになれば、Webサービスを独力で立ち上げることも可能です。関連職種のスキルも習得することで、付加価値の高いフロントエンドエンジニアやフルスタックエンジニアが目指せるでしょう。
実践によるスキルアップ
フロントエンドエンジニアの担当領域はコーダーやマークアップエンジニアより広く、幅広いツールや言語の知識・スキルを要します。実務と並行して勉強し、スキルレベルの底上げを続けていくことが必須です。
また、Web業界の進歩は早く、今後は5GやIPv6への対応も進んでいくでしょう。技術のトレンドやスタンダードは毎年のように変わっていくため、Web業界の動向を敏感にキャッチし、常に時代の標準に対応していくことが大切です。
フロントエンドエンジニアは幅広いキャリアパスが可能!
フロントエンドエンジニアは汎用性の高いJavaScriptを多用するため、プログラミングスキルを伸ばせば、ハイレベルなプログラマーとして活躍できます。また、技術力を生かし、上流工程にキャリアアップすることも可能です。以下で、フロントエンドエンジニアのキャリアパスの例を解説します。
プログラマー
JavaScriptはゼロからコーディングもできますが、開発を効率化できるフレームワークを使うのが一般的です。使用するフレームワークはプロジェクトによって異なります。
JavaScriptは応用範囲の広いスクリプト言語で、Node.js実行環境ならサーバーサイドの実装にも使用可能です。多くのフレームワークに習熟すればプログラマーとしての市場価値が高まるでしょう。
バックエンド言語のPHP・RubyやAI開発にも対応するPythonを習得すれば、さらに市場価値の高いプログラマーとしてキャリアアップが期待できます。
Webディレクター
Webディレクターはクライアントと直接やり取りし、開発の指揮・監督やチームのスケジュール調整を担当します。他にもデザイン・SEO対策・アクセス解析や広告運用といった、Web製作・運用をトータルに設計する能力が必要です。
しかし、一般的にWebディレクターは技術面の専門家ではありません。フロントエンドの技術的課題に精通したWebディレクターであれば、クライアントの技術的要求に難なく対応できるでしょう。
エンジニアへの転職ならジャパニアスへ!
ジャパニアスはAI・IoT・クラウドをはじめとした先端テクノロジー事業を営んでおり、ハードウェア・ソフトウェア・インフラも含めて日本のエンジニアリング業界を支え続けています。
現在はAI関連事業を中心に展開しており、1999年12月の創業以来黒字成長中です。培ったエンジニアリングのノウハウとAIを融合させ、主に3つのAI事業を営んでいます。
・AI/IoTコンサルティング事業:データサイエンティストによるソリューション提案や、AIを活用したサービス・プロダクトの企画・支援
・エンジニアリングサービス:PythonによるAIビジネスの受託開発や、機械学習・ディープラーニング技術活用によるAI基盤構築
・AI関連、教育サービス:AI基礎講座やPython入門講座
Web系システム開発やアプリケーション開発も手がけているため、フロントエンドエンジニアも活躍できます。HTML・CSS・JavaScriptに加えてPythonも習得すれば、AIエンジニアとしてのキャリアアップを期待できるでしょう。ジャパニアスは、ITエンジニアへ転職を希望する方の中途採用を募集中です。
まとめ
フロントエンドエンジニアはHTML・CSSによるマークアップだけでなく、JavaScriptによる各種機能の実装も担当します。フレームワークに習熟すればサーバーサイドのプログラミング、デザインスキルを磨けばWebデザインにも担当領域を広げられる職種です。
キャリアパスは多彩なため、フロントエンドエンジニアからキャリアアップを目指すのも良いでしょう。ジャパニアスはフロントエンドエンジニアを随時募集中です。フロントエンドエンジニアへの転職をお考えなら、ジャパニアスの中途採用へ応募をご検討ください。