プログラマーがフリーランスで働く魅力とは?独立する方法や注意点を解説
パソコンと通信環境があれば最低限の仕事ができるプログラマーは、フリーランスという働き方を選びやすい職業です。プログラマーを副業にしている方は多く、インターネット上でもフリーランスエンジニアが話題になっています。独立する魅力はどこにあるのか、気になる方もいるのではないでしょうか。 フリーランスは在宅ワークが可能になる点など、メリットが多いことが特徴的です。しかし不利益につながる要素があることも、理解しておかなければなりません。そこでこの記事では、フリーランスとして独立する上での注意点や、独立のために求められるスキルについてご紹介します。
この記事の目次
フリーランスでプログラマーになるメリットはおもに3つ
プログラマーとしての働き方は多様化しています。コロナ禍において注目をあびた在宅ワークに適した職業ということもあり、フリーランスで働く技術者も増加中です。まずはこの働き方を選ぶ利点について、3つの要素を取りあげてご紹介します。
好きな仕事だけを引き受けられる
会社勤めと比較して、作業面における最大の違いとなるのは、好きな仕事だけを引き受けられるという点です。クライアントからの依頼を引き受けるか、それとも断るのかを自分自身で決断できますので、好きな仕事を選んで働けます。
ITに関連する企業は慢性的な人手不足に悩んでいる場合が多く、現時点では仕事を選びやすい状況です。そのため、やりたくない仕事を押しつけられる会社勤めに見切りをつけて、独立を志すプログラマーが増加しています。
好きな時間と場所を選んで働ける
会社勤めの場合は、出社時間や退社時間が決められています。都市部では満員電車に乗って移動せざるを得なくなるケースが大半でしょう。一方フリーランスは好きな時間と場所を選んで働けるため、このような煩わしさから解放されます。
たとえば夜型の人であれば、一般の企業が閉まっている夜間・深夜の時間帯を選んで働けます。インターネットにつながれば仕事のやり取りや実務を行えるため、将来的に地方や海外に移住したとしても、これまでどおりに仕事を行えるでしょう。
人間関係を見なおすことができる
プログラマーという職業は、意外にも社内外でのコミュニケーションをとる機会が多い仕事です。多くのスタッフがひとつの場所で働いていれば、相性のよくない上司や同僚とやり取りする時間をとらなければなりません。こういった人間関係がストレス源になってしまいます。
フリーランスとして仕切りなおすことで、人間関係を一気に見なおすことが可能です。反対に、プライベートの時間を増やし、好きな人と接する時間がとりやすくなります。家族や友人と良好な関係を築きやすくなることも、メリットといえるでしょう。
フリーランスでプログラマーになると生じる不利益もある
一見するとメリットが目立つフリーランスという働き方ですが、不利益にも目を向けなければなりません。会社勤めから転身した場合、どのようなデメリットが生じることになるのか、4つのポイントから解説します。
安定して依頼を受け続けられる保証がない
フリーランス転身直後は好調だとしても、勢いを維持し、安定して依頼を受け続けられる保証はありません。特定のクライアントに依存するような状況が続くと、そのクライアントからの仕事を失った瞬間に無収入になるリスクすらあるでしょう。
収入が安定していないため、社会的信用を得にくいという点もデメリットです。会社員時代と同じようにクレジットカードを作ることも困難ですし、住宅ローンの審査にとおりにくくなるといった不利益も生じるでしょう。
福利厚生がすべてなくなる
会社員は年金や保険などの手続きを会社がしてくれますし、一部の費用を負担してもらうことも可能です。しかしフリーランスに転身するとこれらの権利はすべて失われ、年金や保険料、仕事で使う交通費などもすべて自腹に切り替わります。
また、確定申告などのさまざまな役所関連の手続きを自分自身で行う必要もあります。税務でミスをした場合、知識のなさをいいわけにできないため、重いペナルティを受ける可能性があることも知っておきましょう。
自己管理ができなければ淘汰されてしまう
出社時間や休暇などがきちんと決められている会社員と違い、フリーランスはすべてのスケジュールを自分自身でたてることになります。とくに納期を守ることは重要で、最低限の自己管理ができなければ次回以降の依頼が届かず、淘汰される可能性があるでしょう。
自己管理を怠ると、休暇にあてるはずだった1日をすべて仕事に費やす場合もあります。体調を崩したり、予想外の出来事に遭遇したりする可能性を考慮すると、常に余裕をもって仕事を行う計画性と責任感をもたなければなりません。
未払いなどのトラブルに遭うリスクがある
フリーランスが注意しなければならない問題として、未払いなどのリスクもあげられます。納期どおりに仕事を終えて、完璧な作業ができたとしても、悪意のあるクライアントに捕まると約束どおりの金銭をもらえません。また、クライアントが倒産するなどの問題が生じた場合も、報酬を回収することは困難です。
会社勤めの場合は、法務などの手続きもきちんと行われていることもあり、金銭トラブルが起きる可能性はほとんどありません。万一のトラブル発生時にも、社員の給料は原則として保障され、技術者への給料が未払いになるといった事態にはならないでしょう。
フリーランスプログラマーに転身する方法と必要なスキルとは
プログラマーになるための資格は不要であるため、クライアントからの依頼を受けられるのであれば、会社に勤めていなくてもプログラマーになることが可能です。それでは、どのようなスキルを身につけるとフリーで仕事を受けやすくなるのでしょうか。未経験者が在宅ワークでプログラマーとして働くための方法をご紹介します。
事前にプログラミングの知識を身につけておく
フリーランスへと完全に転身するよりもまえに、最低限のプログラミング知識をつけておくことをおすすめします。能力が低いと判断されてしまうと、専門的な仕事を確保することは困難になります。クライアントを納得させられるような知識、あるいは資格をもつことが大切です。
会社勤めの方の場合は、夜間も通えるプログラミングスクールに通い、実績を重ねておくとよいでしょう。学生の場合は専門学校や大学の理工系学部への進学を優先したり、ほかの勉強と並行して資格取得に向けた勉強をしたりすると効率的です。
細かな作業からスタートして実績を作る
フリーランスとしての実績がないプログラマーに、いきなり大きな仕事が与えられることはありません。大きな仕事を任されるようになるには、細かな作業からスタートして、コツコツと実績を作ることが重要です。
クラウドソーシングを利用すると、初心者のプログラマーに向いた小さな仕事を見つけられます。最初は報酬が少なく、決してやりがいがあるとはいえない内容の仕事が中心になりますが、修業期間として割り切って実績を作りましょう。
必要に応じて資格の数を増やす
仕事の数が増えてきたら、必要に応じて資格の数を増やしましょう。上級の資格試験に臨むためには、レベルの低い資格取得が必須になる場合があります。目指す将来像から逆算し、必要な資格をとるための勉強を積み重ねることが大切です。
資格の数が増えたり、高難度の資格を取得できたりすると、フリーランスとしてより好条件な仕事をとりやすくなります。将来的にフリーランスから会社勤めにシフトしたくなった場合も、資格を保有するだけで就職や転職に有利です。
プログラマーはフリーランスよりも会社勤めが有利な3つの理由
フリーランスとして働くという選択肢もあるプログラマーですが、結論としては会社勤めのほうが有利な働き方です。なぜそう断言できるのか、この項目では3つの理由を掘り下げて解説していきます。
会社勤めのほうが40代以降のキャリアアップを見込みやすい
フリーランスとして仕事を得られる年齢には、かぎりがあると考えなければなりません。IT業界は進化のスピードが速く、若い世代のほうが豊かな柔軟性の持ち主であるとみなされる可能性が高いでしょう。
仮に同じスキルをもつ20代と40代の人材がいる場合、クライアントは高確率でより若い世代のプログラマーに仕事を与えます。これは20代のプログラマーのほうが40代のプログラマーよりも、将来性があると期待されやすいためといえます。フリーランスは年齢を重ねるにつれてハンディキャップを背負うことになるでしょう。
一方で会社勤めのプログラマーは、キャリアパスを明確に設定できます。スペシャリストやジェネラリストといった道や、プロジェクトマネージャーなどの上位職、あるいはITコンサルタントとして社外で働く道を見つけることもできるでしょう。
実戦経験を積みながらスキルアップを目指せる
プログラミングは座学だけで身につくものではありません。独学やスクールに通っているだけでは、使用できる機材や環境に限界があり、実力を伸ばすことが困難です。しかし会社に勤めていれば、優れた機材を使いながら、実践経験を養えます。
また、フリーランスとして活動している期間は、仮に毎日仕事をしていたとしても「実務経験」とみなされにくい点にも要注意です。会社に勤めていれば、在籍期間は原則としてすべて実務経験としてみなされ、キャリアアップをしやすくなります。
将来的に職を失うリスクがほとんどない
IT業界は人手不足な状況であり、数十年後にはさらに人材難の時代が訪れると予測されています。AIの発達やIoTの発展も重なり、IT企業に供給される仕事は増え続けるでしょう。そのため、倒産などで将来的に職を失うリスクがほとんどありません。
とくに数十年にわたって黒字経営を続けている企業は、今後も良好な成長曲線を描く可能性が高いといえるでしょう。収入面での安定を重視するのであれば、フリーランスよりもプログラマーを募集する企業への就職・転職を優先することをおすすめします。
まとめ
プログラマーは、フリーランスとして働くことが容易な職業のひとつです。好きな仕事や、働きやすい時間帯、場所を選べるという点がメリットといえるでしょう。一方で収入は不安定になりやすく、福利厚生を受けられなくなるといった問題が生じることを把握しておかなければなりません。
将来的なキャリアアップを目指すうえでも、まずプログラマーを募集するIT企業への就職・転職を優先することがおすすめです。企業に勤めていれば未払いなどのトラブルに遭遇する心配もなく、安心感をもってプログラミングという仕事に向きあえるでしょう。