エンジニアはフリーランスに転身可能?仕事の見つけ方や注意点を解説
現代人の働き方は多様化し、フリーランスとして活躍する人がさまざまな業界で目立つようになりました。それはエンジニアも例外ではありません。一定の技術とパソコンがあれば活動できるエンジニアは、独立に向いた職業でもあるでしょう。 会社員としてではなく、独立してフリーランスとして働く利点はなんなのか、気になる方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、仕事の見つけ方や、フリーランスになるうえでの注意点についてもご紹介します。
この記事の目次
フリーランスエンジニアに転身するメリットとは
フリーランスへの転身は、多くのメリットがあります。とくに労働時間や職場に束縛されたくないという方にとっては、魅力的な選択肢のひとつです。まずはフリーランスという道を選ぶ際に得られる利点を、整理しましょう。
都合のよい時間を選んで作業できる
フリーランスになるメリットとしてとくに大きな要素となるのが、都合のよい時間を選んで働けるという点です。納期は設定されますが、働く時間帯を指定されることがありません。自分の生活サイクルに合わせた働き方を選べます。
たとえば育児中や、家族の介護中という方の場合、一般の会社員と同じ時間帯に働くことは困難です。しかしフリーランスを選ぶことによって、家族の面倒をきちんと見続けながら、エンジニアとしての知識を生かして働けます。
好きな場所で作業できる
エンジニアとして最低限の仕事は、パソコンと通信環境さえあれば行えます。WiFiのある環境であれば、カフェや旅行先のホテルなどでも仕事ができますし、当然自宅にいても作業が可能です。満員電車に乗って通勤する煩わしさもなくなるでしょう。
通勤の都合上、都心に住まざるを得なかった方が、地方都市に転居し、仕事を続けることも可能です。自分自身や家族が、希望する環境に身をおけるようになります。さらに、家賃などのコストを低下させやすくなる点もメリットといえます。
仕事を自分で選ぶことができる
同じエンジニアでも会社勤めの場合、自分で望んだ仕事ができるとはかぎりません。思い描いていたものとかけ離れた仕事を任されたり、嫌な仕事を引き受けざるを得なかったりする場合もあるでしょう。そんな現状に嫌気がさしているという方も、多いのではないでしょうか。
しかしフリーランスになれば、そのような問題からは解放されます。引き受ける仕事の内容は、すべて自分自身で決められるようになります。金銭に固執しないのであれば、魅力を感じる仕事だけを選び、好きなように働けるでしょう。
勉強にかかる費用は経費にまわすことができる
福利厚生の条件がよい会社の場合は別ですが、とくに中小企業の場合、エンジニアとしてのスキルアップを図るための勉強代は自腹を切ることが基本です。セミナーへの参加や書籍の購入なども、原則として自ら支払うことになります。
一方フリーランスは、仕事に関連する費用の支出を経費として認めさせることが可能です。支出した費用の全額を無料化させることは不可能ではあるものの、節税効果を生み出し、節約しながらスキルアップを目指せます。
フリーランスでエンジニアになる際は収入面に要注意
フリーランスのエンジニアは自由度の高さを得ることと引き換えに、いくつかのデメリットがあります。フリーランスで働く際の注意点をまとめて、項目ごとに内容を詳しくお伝えしましょう。
仕事を見つけることが難しい
コネクションのない状態でフリーランスに転身すると、クライアントからの依頼を得ることが困難です。とくに設備や実績という面で、個人が企業に太刀打ちすることが難しく、クライアントからの一次的な依頼はすべてとられてしまう可能性があります。
仮に仕事を見つけられたとしても、悪条件の場合も多いでしょう。キャリアが少なく、エンジニアとしての実績に乏しい方の場合、生活のために気の進まない仕事を安価な料金で引き受けなければならない、というケースも考えられます。
収入が安定しにくい
エンジニアにかぎらず、フリーランスは全般的に安定性に乏しい働き方です。依頼が多く好調なうちは問題ありませんが、いつ仕事が途切れてしまっても不思議ではありません。この点が正社員のエンジニアとのもっとも大きな違いであるといえます。
収入に波が生じやすいため、先行きを見通しにくく、常に不安を抱えながら暮らしているフリーランスは多いでしょう。作業以外の面でストレスを感じやすい働き方になることも、理解しておかなければなりません。
社会的信用を得にくい
フリーランスのデメリットには、前述したように収入が不安定になりやすいという点です。収入の不安定さによって、別のデメリットが誘発されることにもなります。かんたんにいえば、フリーランスは社会的信頼を得ることが難しい働き方です。
たとえば、一般的に発行されているクレジットカードの審査を可決させることも困難です。住宅ローンなどを組む場合は、さらに厳しい状況に追い込まれるでしょう。会社員時代は当たり前にできていた将来設計を、見なおす必要も生じます。
スキルアップを目指すことが困難になる
会社員として働いていれば、実績を重ねることによってスキルアップ、ステップアップを目指せます。ITは日進月歩の成長を遂げていることもあり、優れた企業を選べばキャリアパスにも不安はありません。しかし、フリーランスでは状況が一変するのです。
仮に仕事の依頼数が安定していたとしても、同一の単純作業を繰り返しているだけではエンジニアとしての才能は開花しません。スキルアップし、できることの幅を広げたいという理想をもつエンジニアにとって、フリーランスという働き方が不利に作用することもあるでしょう。
福利厚生を受けることができない
福利厚生に関しても、正社員とフリーランスとではきわめて大きな差が生じることに注意が必要です。まず、厚生年金を受給する権利を喪失することとなり、全額自腹となる国民年金に加入せざるを得ません。
健康保険についても、社会保険から国民保険へと切り替わります。保険料が高額になりやすいだけでなく、手続きが複雑化することもデメリットです。収入そのものは会社員時代より増加したとしても、いままで以上の支出が待ち受けている可能性があります。
フリーランスでエンジニアの仕事を見つける4つの方法
特別なコネクションをもっていなくても、フリーランスとしてこの業種の仕事を見つけることは可能です。どうすればフリーランスという立場で仕事をとれるのか、いくつか手段をご紹介します。
クラウドソーシングで仕事を探す
もっとも手ごろな方法として、クラウドソーシングの活用があげられます。クラウドワークスやランサーズといったサイトには、エンジニアの募集もあります。クライアントと技術者を結びつけるサービスを利用すると、自分が得意とする仕事を見つけることもかんたんです。
デメリットとなるのは、手数料を徴収される点、仕事の条件が悪い場合が多い点です。クラウドソーシングを利用すると、運営会社に報酬の一部を支払わなければなりません。また、実績の少ないエンジニアの場合、任される仕事が少なく、内容・金額ともに悪い条件が多いことも難点といえるでしょう。
交流会に顔を出してみる
ITに関連する起業家や、フリーランスが集まる交流会に顔を出すという方法も、有効な手段のひとつです。交流会には、エンジニアを求めている企業のスタッフが参加することも珍しくありません。この場で知り合った人物から、仕事を受けられる可能性もあるでしょう。
エージェントに登録する
就職や転職というタイミングではおなじみのサービスですが、フリーランスのエンジニアが登録できる専門のエージェントもあります。このようなサービスを生かすことにより、クラウドソーシングよりも、さらにマッチングが容易になるでしょう。
またクラウドソーシングとの違いとして、エンジニア側が支払う手数料が無料になるエージェントが多いという点もあげられます。エージェントが仲介するため、支払いのトラブルも起こりにくく、安心して働けることもメリットです。
SNSを活用して情報発信する
なるべく自力で仕事を見つけたいという場合や、地元で開かれる交流会が少ないという場合は、SNSを活用して情報発信する方法もよいでしょう。SNSから技術者を探すクライアントも多く、SNSで仕事を見つけるエンジニアは少なくありません。
SNSから仕事を探す場合は、自ら休職している旨を発信することにくわえて、ハッシュタグをたどりながら、クライアントを探す作業も並行すると有効です。また、プロフィール欄にHPなどのアドレスを記載し、エンジニアとしての実績を周知することもおすすめします。
エンジニアはフリーランスよりも会社勤務を優先したほうがよい
この記事でご紹介したとおり、利点を備えたフリーランスという働き方ですが、多くのデメリットを抱えることも事実です。エンジニアとして長く働くのであれば、金銭的に安定し、キャリアアップを目指すこともできる会社勤務を優先するとよいでしょう。
3年以上の実務経験をもっていれば、30代以降でも優秀な企業にエンジニアとして転職が可能です。黒字経営が続き、成長過程にある企業に転職できれば、40代以降のキャリアパスを考慮したうえでもフリーランスより有利に働くといえるでしょう。
まとめ
エンジニアに代表されるIT技術者は、フリーランスに転身することも容易です。都合のよい時間や好きな時間を選び、自由度の高い働き方ができるという点がメリットです。一方デメリットとして、金銭的な安定を失うことや、社会的信頼を得にくくなること、そしてスキルアップを目指しづらいことがあげられます。
技術者として3年以上のキャリアをもつのであれば、フリーランスよりも会社勤めを優先したほうがよいでしょう。黒字経営が続く優良企業に転職することにより、40代以降のキャリアパスを考慮するうえでも有利となります。生活をより豊かに、安定させるならば、会社勤めをおすすめします。