エンジニアのキャリアパスとは?各年代で目指せる職種を解説
エンジニアは若者に向いた職業という固定概念をもつ方もいます。しかしAIの劇的な発達やIoTの登場により需要が拡大し、近い将来には人材不足になることが予測されるようになりました。40代以降の技術者も必要とされる伸び盛りの業界であることも事実でしょう。 とくに20代、30代からエンジニアになる人にとって、数十年後のキャリアパスを気にしている方もいるのではないでしょうか。そこでこの記事では、エンジニアとして活躍した後にどのような職種を目指せるのかについて、具体例をあげながらご紹介します。
この記事の目次
開発系エンジニアのキャリアパスは大きく分けて2種類
開発系エンジニアとして目指せるキャリアパスは、スペシャリストとジェネラリストという2種類に分けられます。適正に応じて振り分けられることもありますが、自己選択することが可能な場合もありますので、2種類の職種の特徴を押さえておきましょう。
スペシャリスト
一般のエンジニアとして経験を重ね、ひとつのセクションを極めるという道がスペシャリストです。エンジニアはチームを組んでプロジェクトを進めます。そのチームのリーダーを務める存在がスペシャリストです。
技術者として部下のエンジニアをリードできる知識が求められるほか、チームの生産性を向上させたり、品質管理を行ったりなど、マネジメント能力も必要です。最高峰の役職としては、最高技術責任者(CTO)などがあります。
ジェネラリスト
技術者としてひとつのセクションを任されるのではなく、企画立案・システム構築・開発にいたるまで、幅広い仕事をこなす道がジェネラリストです。よく似た内容の職として、フルスタックエンジニアという名前が用いられることもあります。
ジェネラリストは、社内におけるエンジニア職のすべてを統括して働きたいという方に向いています。プロジェクトマネージャー(PM)としての道を目指すことが基本ですが、実績を重ね、高難度の資格を取得することで、より上位のキャリアアップを目指すことが可能です。
インフラ系エンジニアのキャリアパスは進める道の数が多い
インフラ系エンジニア(ネットワークエンジニア)の場合、キャリアパスにおいて進める道の種類がさらに増加できることが特徴的です。ITに関連する専門企業のみならず、データセンターを保有する大企業への転職を目指すことも可能になります。
ジェネラリスト
製品エンジニアは、おもに自社で開発する製品のエンジニアとして活躍する道です。導入支援やプリセールス、メンテナンス、トラブルの対応といった形で知識をフル活用できます。大手企業においても盛んに求人が行われている職種です。
転職にあたっては、CCNPをはじめとするいくつかの資格を取得していると有利です。とくにCiscoの資格は有力であり、エンジニアとして働きながら資格取得を積み重ねることで、Ciscoネットワークエンジニアに応募することもできます。
セキュリティエンジニア
サーバーに関するセキュリティをおもに担当しているのが、セキュリティエンジニアです。ネットワークを活用する以上、悪意をもったウイルスの可動を食い止めるセキュリティ対策も必要不可欠になります。インフラ系エンジニアとして培ったセキュリティ対策の基礎知識を生かし、セキュリティの専門家として活動することも可能です。
プログラミング技術を多用しない企業だとしても、セキュリティを強化したいという依頼は多く、好条件の職を見つけやすいという特徴があります。情報セキュリティスペシャリスト試験といった資格を取得することで、転職がさらに容易になるでしょう。
スペシャリスト
転職を希望せず、現職のままのキャリアパスを重視したいという場合は、スペシャリストを目指すことが一般的です。広範囲の知識と絶対的な経験を求められる職種ということもあり、上位職に就くことができれば、高収入を確保できます。
インフラ系エンジニアのスペシャリストは、大規模なシステムにおけるセクションの責任者を務めたり、データセンターを担当したりといった仕事内容に変わります。プロジェクトではリーダー的な役割を果たすことになるため、やりがいも感じるでしょう。
エンジニア管理職としてのキャリアパスは高収入を目指せる
プログラミングを専門的に行ってきたエンジニアは、最前線で働き続けることをやめたとしても、そのほかのIT関連職にキャリアチェンジできます。職種によってはさらなる高収入を目指せますので、エンジニア以外のキャリアパスがあることも把握しておきましょう。
ITコンサルタント
エンジニアとしての開発経験は、ITコンサルタントという職種でもぞんぶんに生かすことが可能です。クライアントの経営戦略そのものに参加し、企画立案などを行って、必要なプログラムの作成を専門企業に依頼するという立場にまわります。
コンサルタントとして活躍するためには、プログラミングに関する高度な知識と経験が必要です。くわえてITや商品、サービス全般を深く理解する能力が求められます。経営者層とやり取りする機会も増えるため、話の内容に説得力をもたせる力も欠かせないでしょう。
ディレクター
Webコンテンツを制作する会社に入社し、Webディレクターとして活動するキャリアパスもあります。とくにフロントエンドで働いた実績をもつ人材が高く評価されやすく、現場を動かし、突発的なできごとにも対処できる臨機応変な人材が求められるでしょう。
最近ではSNSを強化する企業が増加しているため、広告をふくめたマーケティングに精通した人物もディレクターを目指す機会が増えています。仕事内容としては、さまざまな部署と連携をとり、スケジュールを管理しながらプロジェクトを進めることがおもな業務です。
経営に近い業務に専念することもできる
管理職として実績を重ねると、経営に近い業務に専念することもできます。たとえば、現場で働くエンジニアを評価する立場にまわったり、人員調整を行ったり、面談を実施したりといった仕事を任される40代以降のエンジニア経験者は少なくありません。
現場から離れることが基本ですが、プログラミング作業を継続したいという場合は、現場作業と兼務できる可能性もあります。この場合は、プロジェクトマネージャーなどの上位職として現場を支えながら、経営にも参加することが一般的です。
フリーランスエンジニアというキャリアパスは魅力的?
エンジニアは会社勤めをするだけでなく、フリーランスという道に転身することもできる職業です。会社勤めとは異なり、自分の好きな種類の仕事を選べます。時間や場所を気にせず、ライフスタイルに合った働き方を選べることもフリーランスの魅力です。
一方で、フリーランスは安定感に欠ける働き方でもあります。独自のコネクションがなければすぐに仕事を見つけることは困難です。クラウドソーシングなどのサービスを頼ったとしても、大手企業などでの実績がなければ好条件の仕事を見つけることはできません。
独立しても安定した生活を送り続ける自信があるならば、有力な選択肢のひとつとなるでしょう。そうでなければ、転職によってキャリアアップすることがおすすめです。それにより、さらに有益なキャリアパスを探ることが可能になります。
まとめ
エンジニアのキャリアパスは、職種や専門性に応じていくつかの道に変化します。現在の企業に勤めたままキャリアアップを目指すこともできますし、ITに関連する部署をもつ企業に転職することも可能です。
管理職やフリーランスに転身することもできますが、スムーズに転職を果たすためには実績のある企業での実務経験が不可欠といえるでしょう。とくに20~30代という若年層のエンジニアは、より有益なキャリアパスを経験するためにも、有力企業にエンジニアとして転職することがおすすめです。