関税

2018年8月20日 11:35 AM

本日は関税について話したいと思います。

関税とは輸入品に対し通関時-税関を通る際徴収される税です。
関税の第一の目的は財政収入に充てることであり、これを財政関税といいます。
関税はこの財政関税と国内産業の保護を主目的とする保護関税の二つに大別されます。
つまり国家財政を保つことと国内産業を育成することが各国共通した関税への姿勢です。

例えばアメリカは日本からの乗用車に2.5%の関税をかけています。
この関税の分だけアメリカ車が安くなるという理屈です。

日本は全体の輸入品に平均で2.1%の関税をかけています。
韓国は7.4%、中国は4.6%、EUは2.8%。
先進国の中では日本は関税率がかなり低いと言われています。
これは日本が嘗て輸出大国と呼ばれていた頃の面影があるのかと思います。

ところで昨今アメリカと中国が互いの輸入品に対し関税をかけるという泥仕合をしています。
これにより世界的な貿易戦争が勃発しているのが喫緊の課題です。
きっかけはトランプ氏が全ての貿易国に対し鉄及びアルミニウムに対し関税をかけるという
先制攻撃を行ったことです。
実際中国には発動していますし他にも発動されている国もあります。
鉄とアルミは貿易全体の中ではそう大きな比重ではありませんが、トランプ氏は更に自動車に
25%の関税をかけようとしています。これは非常に大きい。
今日本の車にかけられている関税は2.5%ですから10倍です。
これが実現すると世界は滅茶苦茶になります。

関税について分かり易い例を挙げてみましょう。
アフリカにガーナという国があります。
主産業はカカオでカカオの輸出では世界一です。
一方オランダは最大のカカオ輸入国です。
オランダにはチョコレートを使用した商品が多くあります。

もしオランダがカカオの栽培をし、それを保護しようとガーナのカカオに高い関税をかけると
どうなるでしょう。
オランダ内では一気にカカオの価格が高騰し結果的にオランダのチョコレートは高騰します。
自国のカカオ栽培業者は良いかも知れませんが、全体的に見るとオランダのチョコレートの
価格は高騰し売上は落ちるでしょう。

ガーナはカカオ豆に対して一切の関税はかけません。
ガーナはカカオを輸出しないと立ち行かない国です。カカオの価格の安定が優先されます。
これは石油も同じで価格が安定するが故に買う人が増えるのです。
高騰すると輸入が止まってしまいます。

ところで日本で一番関税が高い品目はコンニャク芋でなんと1700%の関税が
かけられています。
コンニャク芋は安価で中国も生産していますが関税1700%では日本に輸出出来ません。
コンニャク芋の最大の生産地は群馬です。
群馬の主産業はコンニャクでそれを保護しているのですが、それが実現しているのは
群馬は4人の総理大臣を輩出しているからだと言われています。

また米の関税は778%です。
米が自由化になったらカリフォルニア米やオーストラリア米にはとても太刀打ち出来ません。
米は日本の主産業ですから保護しているのです。
ゴマも自給率は0.1%。日本産のゴマは大変高価で大半は輸入しています。
ゴマは大変手がかかり儲からないと中国でも転作を進めているようです。

以上の様に自国の産業を保護するのが関税の主目的の一つです。

関税を止めて資本主義・自由主義の名のもとに自由貿易をしてしまえば良いという
意見もあります。しかしこれは絶対に実現しないでしょう。
TPPも揉めに揉めています。各国が自国に有利にしようとしているからです。
二国間自由貿易協定もありますがこれも揉めています。
日本もアメリカと二国間で自由貿易をやろうかという話が出ていますが難しいでしょう。

実際関税率については機密事項は多いし率はころころ変わります。
そうした背景もあり関税問題は大きく取り上げられていますが非常にナーバスな問題です。
どうするのが最良なのか誰にも分かりません。

ただトランプ氏が車に25%の関税をかけたら世界は大混乱します。
今後日本についても自動車産業に対しては皆様にも是非注視して頂きたいと思います。

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