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創業者の言葉

運命

2015年08月03日

本日は運命について話したいと思います。
運命とは字の通り運ぶ命。
一般的には人の意思や思いを超えて人に幸不幸を与える力。或いはそうした力によって
やってくる幸不幸、それの巡り合わせのことを意味します。

運命と宿命は何が違うでしょうか。
色々な説があります。

宿命とは宿る命。変えようがなく生まれつき宿っているもののことです。
つまり男として生まれた、長男として生まれた、日本に生まれた、人間として生まれた。
これらは宿命です。

一方運命は様々なことを経験することにより自ら変えて行く道です。
自分で運び動かすことが可能ですから自分でコントロールすることが出来るのです。
どんな人と出会いどんな学校に行きどんな仕事をするか。
それによりどんどん変わって行きます。

つまり宿命とはどうしようもない、生まれながら本人が背負ったものです。
しかし運命とは自分で運んで行くものです。

私が運命と聞いて思い出すのはベートーベンの交響曲第五番。
冒頭が有名なこの曲は日本では一般に『運命』と呼ばれます
しかし実際『運命』は正式な題名ではなく後世になってつけられたものです。
それでは何故『運命』と呼ばれているのでしょうか。
それは弟子のアントン・シントラーの『冒頭の4つの音は何を意味しているのか』と
いう問いに対し『運命の扉を叩く音だ』とベートーベンが言ったことに由来すると
言われています。
しかし実際にはあくまであれは交響曲第五番というのが正式です。

松下幸之助氏は運命について『人間は90%が運命で残り10%が努力だ』と言っています。
日本人として生まれたのもこの時代に生まれたのも自分の意志ではない。
偶々、偶然に産まれた。『人間には運命などなく全てその人の力である』と考えると
人は努力すれば必ず成功することになります。
しかし実際にはそうなりません。人生は己の意のままにはなりません。
それは運命が担っているからだと言うのです。

人間は偶然生まれ生き偶然死にます。
自分の意志で生まれてきた人は1人もいません。
自殺以外は自分の意志で死ぬ訳ではありません。
だから必然を求めようとするのです。
努力は必然を求めようとする結果なのです。
努力こそが人生を充実したものにします。

松下幸之助氏は本当に多くのことを残しました。
経営の神様と呼ばれますが人生の達人と呼ぶべきではないかと私は思います。
彼が創った松下政経塾は政治をどうこうしようというものではありませんでした。
彼は自分の考え方を理解して欲しい、そしてそれを政治に役立てて欲しい。
そういう意図でやっていたのです。
本当に大変立派な方です。

創業者の考え方というのは非常に大事です。
それをきちんと学ばないと組織は成り立ちません。
我社についても私の考え方を理解して頂きたいのです。
私を理解することは会社を理解することです。
手っ取り早いのは私の書いた『小説家の経営術』を読んで頂くことです。

既に来期の経営計画を立て始めています。
来春にはまた新入社員が入ってきます。
もう個人の会社ではないのですから個人が技術を教えるだけではいけません。
我社がどういう姿で歩んでいてあなたはどういうことをやってもらう人なのだと
いう観点から教えなければなりません。
新入社員についてもあなたが5年後10年後我社にいたらどうなっているのか。
それを考えることが大事なのです。
もちろんそれはその通りにならないかもしれません。
しかしそれが語れないと計画になりません。
そうしたことをせずに『やったつもり』になるのは大変危険です。

運命を私なりに考えると、運命とはその人が持つ器だと思います。
そして努力とは目標に向かって精進することです。
器によって努力の幅も違うでしょう。
私がいつも言いたいことは目標と努力です。

夏休みが近い方も多いことと思いますが、10年後の目標を立てれば休み中の行動も
自然と変わってくるでしょう。
是非有意義に過ごして頂ければと思います。

創業者
西川三郎

ジャパニアス株式会社の創業者、西川三郎が送る”創業者語録”
1948年愛媛県生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業し、大手生命保険会社に入社。
その後、中堅エンジニアリング会社を経て、1999年にジャパニアス株式会社を創業。