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創業者の言葉

一瞬

2015年05月12日

本日は一瞬について話したいと思います。
一瞬は英語では『an instant』『 a moment』であり瞬きということ、瞬きをする
位極めて僅かな時間ということです。
『一瞬の出来事』とか『一瞬思い出せなかった』などのように使います。

カメラは一瞬を切り取ったものです。
表情や風景、情景。
カメラマンは一瞬をとらえ見る人に感動を与えます。

一瞬にして人生が決まったり転落したりします。
出来心や痴漢や万引きなどの犯罪、交通事故-一瞬の判断や衝動によって人生が
転落することがあります。

反対に一瞬の判断により起業したり発明したりすることもあります。
発明などは長い努力の中で一瞬の出来事です。
多くの実験で失敗し続けているとある日突然発見に至る。
エジソンもキュリー夫人もそうです。

一瞬にして敗れる。
一瞬にして堕落して行く。
一瞬にして起業の閃きを得る。

こうした一瞬は何故訪れるのでしょうか。

私はそれは過去の長い生き様の結果だと思います。
過去の積み重ねがプラス或いはマイナス方向の一瞬に繋がるのではないでしょうか。

犯罪などのマイナスの一瞬が訪れる人は常日頃から良からぬことを考えているから
つい発作的に出てしまう。
出来心などではなく蓄積されたものが出るに過ぎません。
プラス方向の一瞬が訪れる人はやはり日頃から考え続けているから起業を思いつい
たりするのです。

つまり一瞬とは長い追求の結果です。
小説などでも長く考えてアイディアがふっと出て来るものです。

ノンフィクション作家である沢木耕太郎氏が書いた『一瞬の夏』という作品があり
ます。
これは1981年に出版され現在文庫になっているカシアス内藤というボクサーの話です。
カシアスというリングネームはモハメド・アリという偉大なボクサーの旧名である
カシアス・クレイからつけられました。

内藤氏は1949年に神戸で黒人のアメリカ兵と日本人の母の間に生まれました。
父は朝鮮戦争で戦死しています。その後母と横浜に来ました。
彼は高校のボクシングで頭角を現し東洋ミドル級チャンピオンに上り詰めます。
しかし脱落も早く初黒星を喫した以降は精彩を欠き引退するのですが4年振りに
復帰をすることになります。

この作品には栄光を夢見るボクサーとタウンゼントという老人トレーナーとそれを
見守る若きカメラマン、そしてこの作品の作者が登場します。

偶然出会った男達。
一度は挫折した悲運のボクサーがいかに復帰し再起を図るか。
人生をかけて行く男達を活写した小説です。

その後内藤氏は咽頭がんにかかります。
咽頭がんは喫煙や歌手など咽喉の酷使が原因と言われていますが食道がんと異なり
声帯を取れば治ります。

現役を退いた内藤氏の夢はボクシングジムを設立し将来のチャンピオンを養成する
ことでした。
ボクサーは一瞬が大事で筆談では追いつかない。
つまり声帯をとってしまっては指導出来ないのです。
そして彼は『俺は絶対に手術はしない』と決めます。
余命3ヶ月と診断されましたが放射線治療をしてがんは小さくなりました。

それから8年が経過しました。
がんは消滅した訳ではありませんが彼は生きています。
余命3ヶ月と宣告された人が何故生きているのか。
その理由について彼は『限りない情熱と弟子を育成しようという気力ががんの再発を
押さえている』と語ります。
再発を恐れていては何も出来ないと現在もボクシングの指導にあたっています。
そして彼の長男は日本スーパーフェザー級の王座を獲得しました。

打ち込む事さえあればがんが克服できるとは思いませんがしかし良い方向に身体が
活性化して行くことはおおいにあり得ることです。
俺は病気だと悩んでばかりいるよりずっと良いでしょう。

目標を持つ。
そしてその目標を達成すべく執念を持って戦えば活路が見い出せます。

『社長はいつも目標目標と言う』と思う方もいるかも知れません。
しかし私は諦めた人間や目標の無い人間に魅力を感じません。
成功したとか偉くなったとか出世したとか、それは結果です。
私は目標に対する努力の中にその人の偉大さを見出しているのです。
目標の大きさは他人がとやかくいうことではありませんが。

良い目標を持っていれば一瞬で終わる人生にはなりません。
目標を持ちそれに向かって努力していればプラスの一瞬が訪れることもあるでしょう。

あなたも目標達成に向かって邁進して頂きたく思います。

創業者
西川三郎

ジャパニアス株式会社の創業者、西川三郎が送る”創業者語録”
1948年愛媛県生まれ。慶應義塾大学法学部を卒業し、大手生命保険会社に入社。
その後、中堅エンジニアリング会社を経て、1999年にジャパニアス株式会社を創業。