AIの開発にも関われる!注目のデータサイエンティストの仕事内容って?必要なスキルや気になる年収まで徹底解説
データサイエンティストは、AIやビッグデータの活用が進む現在、非常に需要が高い職業です。知識や経験、スキルがあれば好条件で転職が可能です。また、キャリアアップのためにデータサイエンティストを目指すという方もいるのではないでしょうか。 データサイエンティストの特徴や仕事内容、年収、必要なスキルや役立つ資格を知ることで、データサイエンティストへのキャリアチェンジをさまざまな面から検討できます。活躍できる業界や中途採用募集中の企業を把握し、データサイエンティストとして活躍するチャンスをつかみましょう。この記事では、データサイエンティストの仕事内容や必要なスキル、資格を紹介します。
この記事の目次
注目度大!データサイエンティストの仕事内容と年収は?
IT業界の需要の動向を調べると、データサイエンティストという職業にたどり着く方も多いのではないでしょうか。現在、データサイエンティストは非常に注目度が高く、求人需要も高まっています。ここでは、データサイエンティストの業務内容や市場動向、年収といった基本的な情報について解説します。
データサイエンティストの業務内容
データサイエンティストとはビッグデータから価値を創出し、ビジネス課題の答えを導き出すプロフェッショナルです。データに基づき意思決定者のサポートをするため、業務内容は多岐にわたります。企業によって担当領域は異なりますが、主な業務内容は以下の通りです。
・ビッグデータの収集とフォーマットの統一
・プログラミング言語を用いたデータベースの活用
・データ分析結果の視覚化や抽象概念のモデル化
・データからパターンを発見して、ビジネスの利益に寄与する傾向を特定する
・IT部門や意思決定者とのコミュニケーションやコラボレーション
データサイエンティストの需要
社会の情報化が進む今、企業は日々多くのデータを蓄積しており、ビッグデータ市場は拡大し続けています。データ活用によるビジネス展開を求める企業は増加し続けているため、ビッグデータから価値を創出するデータサイエンティストの需要も拡大している状況です。
また、さまざまな業界でAIの開発や活用が進んでいます。AIはビッグデータに基づいたパターン認識やディープラーニングによって精度を高める必要があるため、AIの開発にも携われるデータサイエンティストの需要は今後も伸び続けると考えられるでしょう。
データサイエンティストはなぜ必要?
データサイエンティストという職業が誕生した理由として挙げられるのは、情報爆発が起きていること、データ分析や活用の必要性が増したことの2点です。計算能力の高いデバイスが増え続け、ネットワークが拡大・複雑化して接続スピードが高まる中、社会が生成し管理する情報は爆発的に増加しています。
そして、ビジネスに飛躍的な収益増をもたらす可能性を秘めているのが、このような構造化されていない膨大なデータ(ビッグデータ)です。このビッグデータに潜む利益を発掘する存在として、データサイエンティストの能力が求められています。
データサイエンティストが注目される理由
データサイエンティストは米国で将来性のある職業1位に選出されるほど注目度が高く、日本でも需要が高まっています。ビッグデータに基づくAIは自動運転や遠隔医療をはじめ、さまざまな分野で開発や活用が進んでおり、今後も利用範囲は拡大する一方でしょう。
ビッグデータ市場が拡大することで、ビジネス課題を解決するAIの設計者も求められています。今後はAIの活用がビジネスの収益性を大きく左右する時代になるでしょう。それにより、AIを使いこなせる人材としてデータサイエンティストへの期待は高まっています。
データサイエンティストの平均年収
データサイエンティストの平均年収は650万円前後、月収にすると40万円程度と言われています。もちろん能力やスキル、業界やポジションなどの条件により年収は前後しますが、他の職種と比べて水準は高いといえます。
データサイエンティストは幅広い業務を受け持ち、担当する業務や使用するツールはそれぞれ異なります。専門性の高いスキルを持っている方であれば、高収入が期待できるでしょう。人材獲得競争は激しく、1,000万円以上の年収を提示する企業もあります。
データサイエンティストに必要なスキルとは?
データサイエンティストはデータ活用に関する業務をトータル的にカバーするため、線形代数や解析、統計学などの大学以上レベルの数学の知識以外にもさまざまなスキルが必要です。具体的には、プログラミング、データベース、ビッグデータ処理をはじめ、ツールの使用方法やビジネス全般に関するスキルが挙げられます。
プログラミングのスキル
データサイエンティストが使用する主なプログラミング言語は「R言語」と「Python」です。
R言語は統計解析やデータ分析、グラフィック分野に特化したプログラミング言語で、統計計算を簡単に実行できる豊富な「パッケージ」を利用できます。
一方、Pythonは統計解析に加えてWebサービスの構築やアプリ開発にも利用できる応用範囲の広いプログラミング言語です。R言語でできる処理の多くはPythonでも処理でき、Pythonは豊富な「ライブラリ」を利用できます。
他にもさまざまなプログラミング言語を使用するシーンがあり、データサイエンティストとして働くにはプログラミングのスキルが必要不可欠です。
データベースのスキル
データサイエンティストはデータベースに保存したビッグデータを利用するため、データベースに関する知識も必要です。
ただし、データサイエンティストは単なるデータベース管理者ではありません。求められるのは、問題提起に基づいたデータベースの設計や適切なデータ収集、データのフォーマット統一といったビジネスにデータを活用するためのスキルです。機械学習、データ分析、ビジネス・インサイトの導出を想定して、データセットを最適化します。
ビッグデータ処理のスキル
データサイエンティストはビッグデータを扱うことがほとんどであるため、実際にビッグデータを処理・分析するスキルが必須です。例えば、大規模なデータセットの分散処理を可能にする「Hadoop」で、「HBase」「Hive」「Pig」といったプロジェクトを利用するための知識が必要です。
HBaseはビッグデータのリアルタイムクエリに適した分散データベース、Hiveはデータの傾向計算やログの要約が可能、Pigは並列計算のための実行フレームワークです。データサイエンティストはこういったソフトウェアを用いて、膨大な量のビッグデータを分析します。
ツールの活用方法に関するスキル
データ分析に採用するツールは企業ごとに異なりますが、代表的なのはIBM社の「SPSS」です。SPSSは統計解析から予測分析や業務展開まで、データに基づく意思決定をサポートするため、データサイエンティストの業務に向いています。
「SPSS Statistics」はトップダウンの仮説検証アプローチをサポートし、「SPSS Modeler」はボトムアップの仮説検証アプローチによってパターン分析やモデル化が可能です。SPSSはGUIを採用していて初心者でも扱えますが、実行する処理の意味を理解することは必須といえるでしょう。
ビジネスに関するスキル
データサイエンティストは単なるプログラマーやデータベース管理者ではなく、ビジネスの意思決定をサポートするチームプレイヤーです。IT部門や意思決定者とのやり取りが多く、ビジネス全般に関する知識やコミュニケーションスキル、プレゼンテーション能力も必要です。
また、ロジカルシンキング(論理的思考)やクリティカルシンキング(批判的思考)といった思考法による、業務プロセスの整理や論理的な結論の導出ができることも重要です。
データサイエンティストに役立つ資格6選
データサイエンティストになるには、大学でデータサイエンスの学位を取得するのが一般的です。しかし、知識やスキルの証明となる資格を取得し、データサイエンティストに転職、キャリアアップを図る方も珍しくありません。ここでは、データサイエンティストへの転職に役立つ資格を6つ紹介します。
IT業界スキルを磨ける「情報処理技術者試験」
「情報処理技術者試験」は、情報処理技術者としての知識や技能が一定水準以上であることを認定する試験です。特定のソフトウェアや製品に関する試験ではなく、情報セキュリティやソフトウェアの設計・開発、プログラミング言語といった幅広い内容が出題されます。
試験を実施するのはIPA(独立行政法人情報処理推進機構)ですが、経済産業省認定の国家試験です。基本情報処理技術者試験と応用情報技術者試験の2種類があり、高度な知識やスキルを証明するのであれば、応用情報技術者試験の合格を目指しましょう。
データベースの知識が求められる「データベーススペシャリスト試験」
「データベーススペシャリスト試験」は、データベースに関する専門知識や技術を持った高度なIT人材であることを認定する国家試験です。IPAが実施する試験は総じて難易度が高く、中でもデータベーススペシャリスト試験は特に難しい試験のひとつで、合格率は10%台といわれています。
データベースに関する試験の中では最難関とされていますが、データサイエンティストとして将来活躍していきたい方は、ぜひとも合格したい試験です。
データベースの基本を身に付けられる「OSS-DB技術者認定試験」
LPI-Japanが実施する「オープンソースデータベース技術者認定資格(OSS-DB技術者認定資格)」は、オープンソースデータベース(OSS-DB)に関する知識やスキルを中立的な立場で認定する民間資格です。
OSS-DB技術者認定資格を取得すれば、オープンソースデータベース全般が扱えることを証明できます。企業はオープンソースデータベースを利用するケースが多く、種類も豊富であるため、取得して損はない資格です。比較的難易度は低く、OSS-DB技術者認定資格から取得を目指すのもよいでしょう。
統計学を学べる「統計検定」
日本統計学会が実施する「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を認定する全国統一試験です。試験のレベルは細かく分かれており、統計検定2級では大学基礎統計学の知識と問題解決能力があるかどうかを問います。
どんなツールを使用する場合でも、データサイエンティストには統計学やデータ解析の知識やスキルは必須です。データ解析のスキルを証明するのであれば、統計検定の準1級や1級、統計検定データサイエンス基礎(CBT)の合格を目指すとよいでしょう。
人工知能の知識を学べる「G検定・E資格」
一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する「G検定」「E資格」は、ディープラーニングの知識やスキルを問う試験です。
ジェネラリスト向けのG検定は、AI・機械学習・ディープラーニングについて問う内容で、事業活用する知識やスキルを有しているかを検定します。一方、エンジニア向けのE資格は応用数学・機械学習・ディープラーニングの他、開発・運用環境も問う資格です。理論を理解した上で、適切に実装する知識やスキルを有しているかどうかを認定します。
Pythonを活用したい人に向けた「Python試験」
一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する「Python試験」は、Pythonの知識とスキルを問う民間試験です。「Python3エンジニア認定基礎試験」と「Python3エンジニア認定データ分析試験」の2種類があります。
前者は文法の基礎を問う内容で、後者はPythonによるデータ分析の基礎や方法を問う内容です。データサイエンティストにとってPythonは必須といえるほど使用率が高いため、少なくともPython3エンジニア認定基礎試験、できればPython3エンジニア認定データ分析試験の合格を目指しましょう。
キャリアアップ!求められる人材になるために身に付けたい能力とは?
データサイエンティストの定義は国や企業によって差がありますが、一般社団法人データサイエンティスト協会によると、データサイエンティストに求められる能力は「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」の3つです。これらは、データサイエンティストとして将来求められる人材になるために必要な能力です。これらが具体的にどのような能力を指すのか紹介します。
ビジネス情報活用力
データサイエンティストは一般的なITエンジニアとは異なり、ビジネス課題の把握からプログラミング、データ分析、意思決定のサポートまでが業務範囲です。
データ活用のプロセスに一貫して携わるため、クライアントとの相談や会議の場に同席することも珍しくありません。自社の意思決定者やクライアントが求める結果を正確に理解し、ビッグデータの活用によってソリューションを導くビジネス情報活用力が求められます。
データサイエンス力
データ活用のプロセスにおいて、問題定義やアプローチ設計をする段階で必要なのがデータサイエンス力です。
自社の意思決定者やクライアントの要求を受け、ビジネスの観点から目的やテーマを設定した後には、問題解決に向けて情報処理・AI・統計学に関する高度な知見が求められます。どのような手法でビッグデータを利用するかはデータサイエンティスト次第です。データーサイエンティストのデーターサイエンス力はプロジェクトを成功に導くための必要不可欠な能力です。
データエンジニアリング力
情報技術の知見を活用して問題定義やアプローチ設計をしたら、データをクライアントが理解しやすい形にする実装・運用のフェーズに入ります。ここで必要なのがデータエンジニアリング力です。
最適なツールを使ってビッグデータを処理・分析し、分析しなければ意味を持たないデータから価値を創出します。この結果を受け、ソリューションが導出できるという流れです。3つのスキルを複合的・横断的に活用することで、ビジネスの収益性を高めるデータ活用が実現できます。
幅広い業界で活躍できるデータサイエンティスト
データサイエンティストは非常に専門性の高いIT人材のため、活躍の場はIT業界に限られているというイメージがあるかもしれません。しかし、ビッグデータ市場はIT業界以外にも大きく広がっており、さまざまな業界で需要が高騰している状況です。ここでは、データサイエンティストが活躍できる6つの業界を紹介します。
IT業界
IT業界の企業にとって情報資産はビジネスの基盤です。IT業界はトレンドの移り変わりが激しいため、スキルの陳腐化も起こりやすく、一般的なIT職の需要は一定ではありません。その中で、ビッグデータやAIを扱えるデータサイエンティストという職種自体の価値が高騰しています。
IT業界の企業が蓄積するビッグデータは有効活用されていないケースが多く、クライアントから受注する案件もAIやビッグデータ関連のものにシフトしている状況です。IT業界においてもデータサイエンティストの人材獲得競争は過熱しています。
不動産業界
日本国内だけを見てもエリアごとの賃貸需要はさまざまで、地域特性や人口動態、既存物件の傾向やエリアの将来性は異なります。条件を全て加味して適切な物件を建築したり、買い主にアプローチしたりするのは、経験や勘だけでは限界があるでしょう。
不動産業界の中には、蓄積した膨大かつ多様なビッグデータを活用して、独自AIによる予測分析に着手している企業もあります。このような場面でデータサイエンティストの能力は大いに役立つでしょう。
金融業界
金融業界はデータサイエンティストを求める代表的な業界のひとつです。例えば、銀行や証券会社は顧客から預かった資産で大規模な投資を行います。過去の値動きに関するビッグデータは蓄積できており、足りないのはデータセットの最適化やAIによる高精度な予測分析です。
また、ATMやネットバンキングといったネットワーク経由の金融が一般化している中で、AI制御による高セキュアかつ安定した決済が求められています。いずれの場合も、データサイエンティストのスキルが必要です。
製造業界
製造業界は古くから工場に製造加工機械を導入し、製造加工を自動化するファクトリーオートメーション(FA)の体制を整えています。しかし、AI非搭載の製造加工機械はプログラム通りの動作を続けるだけで、不測の事態に対応できないのがネックです。
AIを搭載した製造加工機械であれば、異音や温度変化、微細な角度の違いといった異常を判断して、適切な対応の推論によりエラーを防止できます。データサイエンティストはビッグデータを活用する際の実務担当者や管理者とのコミュニケーションにおいて必須です。
広告業界
広告業界は統計解析の手法によって、広告を打つエリアやターゲット、時間帯、媒体の種類、デザインを検討する文化があります。また、現在はインターネット広告やSEO(検索エンジン最適化)対策に着手する企業が一般的です。
デジタルマーケティングにおいて統計やデータ分析は必須で、AIを活用したマーケティング手法も開拓が進んでいます。ターゲットや広告効果を設定したデータ活用が求められており、データサイエンティストの活躍が見込める業界といえるでしょう。
コンサルティング
コンサルティングファームは主に企業の経営陣をクライアントとして、事業方針や経営課題の解決についてさまざまな提案とサポートをします。外部からの提案は、厳密な統計解析を踏まえた論理的かつ科学的根拠があることが必須です。
ビッグデータを活用した統計解析ができるデータサイエンティストであれば、クライアントの課題解決につながる論理的な提案が可能で、コミュニケーションが重要なコンサルティングにも対応できます。
データサイエンティストが活躍できるのはジャパニアス!
ジャパニアスはAI・IoT・クラウドをはじめとした先端テクノロジー事業を手掛け、ハードウェア・ソフトウェア・インフラを含めて日本のエンジニアリング業界を支え続けています。
現在はAI関連事業を中心に展開しており、1999年12月の創業以来黒字成長中です。培ったエンジニアリングのノウハウとAIを融合させ、主に3つのAI事業を営んでいます。
・AI/IoTコンサルティング事業:データサイエンティストによるソリューションの提案やAIを活用したサービスやプロダクトの企画・支援
・エンジニアリングサービス:PythonによるAIビジネスの受託開発や機械学習・ディー
プラーニング技術活用によるAI基盤構築
・AI関連、教育サービス:AI基礎講座やPython入門講座
ジャパニアスは一般社団法人日本ディープラーニング協会に加盟しており、データサイエンティストの業務について幅広いノウハウを蓄積しています。現在は中途採用を募集中で、データサイエンティストとして活躍できるポジションは豊富です。
まとめ
データサイエンティストはデータ活用をビジネス課題の解決につなげる職業で、ビジネス力、データサイエンス力、データエンジニアリング力という3つのスキルが求められます。IT業界以外でもデータサイエンティストを必要とする業界は多く、知識やスキルを経験や資格で証明できれば、より良い条件での採用が可能です。
ジャパニアスはAI関連事業に力を入れており、これからデータサイエンティストになりたい方を広く募集しています。データサイエンティストとしてキャリアアップしたいと考えている方はジャパニアスへの中途採用の応募をご検討ください。